エレカシブログ 俺の道

ロックバンド・エレファントカシマシのファンブログ

季節は変わるんだ、秋から冬。

寒暖差が厳しすぎますね。

これは素直に嬉しい。俺は週刊文春デジタル(Web版)を購入しているのですが、エレファントカシマシがリリースをすると大体二週間後を目安に、真っ先にこの連載をチェックしてしまうんです。所謂パブリシティ・プロモーション感がなく、発売されて少したった頃に近田春夫さんは取り上げる。賞賛されることもあれば酷評されることもあって、その「ガチ感」、またロッキングオン系の情緒的レビューでは無く、どちらかというと理論的なレビューなので、違った角度から新曲を読める。
そして今回は宮本浩次西川貴教さんが取り上げられていて、ほぼ全面的に宮本浩次編。

近田春夫の考えるヒット 第1120回 「シャウトの魅力・西川と宮本 「意外性」はあまりなかった感」

今週は宮本浩次西川貴教を聴いてみた。
全く違う方向を向いているようにも思えた二作品ではあったが、案外共通点もあった。先ずは、何といっても、驚異的喉の強さ/安定感を誇っていることであろうか。
昨今、我が国で“ロック”といったとき求められるもののひとつに、シャウトの魅力はあるだろう。まあ一種力自慢のようなものだが、そうした競い合いならば、双方ともにトップクラスの域といえる。
(中略)
宮本浩次はまさに堂々のアナログ。生バンド演奏の音での勝負と来た。

未だに『Do you remember?』の激しさは脳裏に染みついていて、これライブでやったんですよね?(笑)、この激しいアップテンポをどうナマで披露するのか。バンド誰もが一瞬のミスも許されないタイミング、緊張感の4分35秒。来春の宮本浩次ツアーもこの曲をやらざる得ない(変な表現ですが)だろうけど、果たしてどうパフォーマンスを披露するのか、いささかドキドキとワクワクです。

それにしても思わず見入ってしまったのが、宮本浩次の――ネット上でも検索可能な――『Do you remember?』の動画だ。スタジオでこの曲をバンドでプレイしているところを、ただまんま映像に残しただけな風の構成なのだが、宮本浩次の高音での絶叫が尋常ではない。こんなこと毎日やってたらもう絶対に死んじゃうョォ、と心配せずにはおれぬほどの、もの凄い熱唱ぶりを披露してみせるのである。
そして見入ってしまった理由はもうひとつある。(後略)

ここで引用終わりです。この先はダブルネタバレになってしまうので・・・。
しかし近田さんも好きでよく観察してますね!心配のその先はピストン西沢さんと同じ「こんな曲歌ってちゃ身体に悪いよ」。ただ宮本浩次にとっては生き様なのでしょうし、(勿論喉や身体は心配になるけれど)53歳にして劇的かつ激烈さらにド青春ソングを歌うのは彼しか出来まい。

宮本浩次-Do you remember?
この先は是非週刊文春でお読みください(回し者じゃないですよ)、近田春夫さんの観察眼に魘されることになると思います。俺はパソコンの前で「よく見てるなあ!」と思わず膝を打ってしまいました。ミュージシャンとしてもそうだけれど、評論家としての近田春夫さんの巧さに驚いてしまいました。

週刊文春 2019年 11/14 号 [雑誌]

週刊文春 2019年 11/14 号 [雑誌]

  • 近田春夫さんが出たので、きくちPさんのお話も。

ここまで書いてしまったので、以前に書きたくてタイミングを逃した話を。
近田春夫さんといえば「宮本浩次との険悪雰囲気対談」、いやメインはそこでは無いんですが、エピソードとしては強く残っていて、近田春夫さんもたまに書いている。

orenomichi.hateblo.jp

その収録は1996年ということで、もう23年前の話ですが、当時生まれた人も立派な男ですね(さすがに安藤ニコさんは生まれていませんね)。
この近田春夫さんと宮本浩次の対談もYouTubeで流してしまえばいいんですけどね、まあそういうわけにもいかないんでしょう。

それでこの「きくちから」はとにかく長い対談で、とても書き起こし出来なかったんですが、いわゆる「ご挨拶の野音」の時の話が良くていつか書きたかった。ここで近田春夫さんが出てきたのも何かの運命なので、今回の記事で書いてしまいます。


以下、宮本浩次は「宮」、きくちPさんは「き」で。

き 耳(の病気)で一旦(野音が)中止になったことあるじゃない。
宮 説明だけするって言ってやったんですけどね。
き ファン入れて、説明だけするイベントって行ってみたら、歌いまくったじゃん。
宮 そうなんですね。でも最高でした。あのイベントは凄くいいイベントでした。
き どれもいいイベントだけど、凄くいいイベントだった。
宮 ライブやっててあれだけ自然にお客さんに話しかけられたの初めてで、病気でよく戻ってきたって想いってのがファンの人がある中で、僕も本当に嬉しいから、そこに居ることが、野音に。それもどっちも(お客さんも)伝わってて、それことワーって、笑い声も心配しているところも、全員が、全会一致というか、3000人くらい居たと思うんだけど、みんなの気持ちが、歌もそうなんだけど、なにか空気が、野音ていう空気で一つになってるところがあって、いい、印象深い一日になって、すごく楽しかったですね。
き あれは回復はじめてるとは言え、手術した後だったのかな。まあ自分のギターで弾いて歌うだけだろうと思ってたけど、バンドでもやったよね。
宮 最後の「ズレてる方がいい」って曲を、凄く小さな音でやりまして、よく覚えて・・・、そうなんですよね。
き すげーびっくりしちゃって、大丈夫かなって。

この会話を聞くと、未だに7年前の「ご挨拶の野音」の雰囲気を昨日のことのように思い出す。そして確かに宮本浩次の言うように笑い声も心配している声も、宮本の一挙手一投足が3,000人にストレートに伝わっている感覚がビリビリ伝わっていてた。宮本の声は勿論、仕草、呼吸一つもお客さんは見逃さないよう見つめていて、宮本もそれに応える形で真摯に話す。普通のライブでの過激なコール アンド レスポンスが、あの一日、60分だけは、宮本の言葉を借りれば「全会一致」、言葉にすると安っぽくなるのですが、3,000人が一つになった感覚が生々しくあって、未だにその熱は頭のどこかにある。
病気なんて防げれば一番いいんだけれど、結果的に病を発症してしまった。そして「なんとかご挨拶をしたい」という宮本の思い。「なんとかそれを聞き逃すまい」というお客さんの思い。勿論そこには相互の強くて熱い愛もあって、結果的に宮本も「あれだけ自然にお客さんに話せたのは初めて」という体験となった。音楽という瞬間の積み重ねが、ああいう3,000人が本当に一体となる時間を作り出したんだな、また作り出せるんだな、と。

orenomichi.hateblo.jp

このブログで近田春夫さんに触れたことが何回か調べてみると11年前にも書いてたんですね。
orenomichi.hateblo.jp
自分で読み返しても文章がクソガキで、でも多分これからもクソガキであることは変わりなく、そして冒頭の写真は大杉漣さんからの花輪。

なんとか生きて、生き抜いて、いい音楽を聴いて、まだまだ感動を味わいたい。朝に近田春夫さんの記事を読んで、夜にきくちPさんと宮本浩次の「ご挨拶の野音」のインタビューを見て、改めてそう力強く思った一日です。