今までの体験ライブハウスでは一番小さかった水戸のライトハウスより狭かったです。その分密度も濃い。
盛岡市のメイン商店街より少し逸れた所で、通りには「映画館通り」という名称がついていました。
後述の通り、ここらへんにはいい喫茶店がいくつかありました。
地下二階ぐらいに下がった所にスタジオはありました。
白壁、木目の床でキレイにリニューアルされた印象、前はミニシアターだったそうです。
水戸のライブハウスは「無骨」という印象でしたが、こちらは「小綺麗」という印象。
スタッフの方が新人だったようで、先輩から「具合悪くなった人が出たら・・・」と
レクチャーされていたのが初々しかった。
ステージも狭くて、キーボードはおろかヒラマさんのスペースもない。
石くんのギターで一杯一杯、これはもしや…。
数年ぶり、多分五年ぶりぐらいの最前列。恐ろしいほどの緊張感。
19:05開演。四人。ヒラマさんもサニーさんも居ない。
本当に久しぶりに四人で登場。宮本は黒ジャケットに白シャツ。
「ようこそ!」「四人」「久々の四人!」という歓声が飛び交う。
M1 moonlight magic
通常通り始まるも、二番に入ったぐらいで宮本は足をばたつかせ演奏中止。
「もう一回やります、ムーンライトマジックです」。
冒頭の歓声に対してか「久々の四人だぜ!」。
M2 脱コミュニケーション
「悲しみの果てに ダダッダダッ」の部分で後ろの方から歓声。やはり人気曲。
M3 悲しみの果て
「古い曲です。10年くらい前の。
と言ってももう45だから、今の10年前と昔の10年前じゃ違うんだけどね」
M4 おまえとふたりきり
宮本の丁寧な、そしていささか重いギターで始まった。
会場の狭さもあって、真夜中に車の中か公園で歌っているような雰囲気。
「ん、んんん・・・」とアウトロ。
M5 かけだす男
「ベイビベイビベイビー」で会場も大歓声。
M6 旅
途中からちょっと歌詞間違え気味だった。それと詰まったり。
昨今の流れからするとやり直すかも、と思いきや最後まで。
ジャケット脱ぎ。
M7 いつか見た夢を
「ワントゥー、ワントゥースリー いつか見た夢を」で上手く乗れずやり直し。
今日はやたらとやり直しが多い。
M8 ハロー人生!!
「21世紀今日現在この盛岡じゃ さほど俺の出番望んじゃないようだが」
いやいやみんな待ち望んでますぜ先生!
石君と成ちゃんのコーラスが強烈、特に石君は汗ぼったぼたで熱唱。
M9 珍奇男
「おっとっと、高緑もおっとっと」で成ちゃんとセッション。
近年はやりの「おやじさんもおっとっと、おかみさんもおっとっと(以下略)」。
一旦脱いでたジャケットを再度着てました。
M10 OH YEAH!(ココロに花を)
凄く良かったんですが、途中からスピーカーから「ブチッブチッ」という大きめな雑音がする。
メンバーどころかお客さんも完全にわかるレベルで、スタッフの方も多少混乱。
石くんのかトミの機材に問題があるようだった。
最後の方は「変な音鳴ってる」と宮本もスタッフに合図をしたまま終了。
終了後「なんか変な音してたよね」と宮本。
宮本が『もどかしき今日に捧げるのさ』あたりの部分を歌いながら、みんなが音出し。
「石くん音出して」ガシャガシャ、でもまだプチプチ。
「トミ出して」ドコトン、と鳴らすもまたプチプチ。
なんだかこの辺はリアルで、リハーサル部分を眺めて見ているような感覚。
「まだ(異音)してるよね?」と宮本、「なってるよ」とお客さん。
原因はトミのドラムの一部分の配線にあったようなのかスタッフの方が修復。
それを横目に見ながら、仕切り直しの意も込めたのか宮本は急にメンバー紹介。
「盛岡とは常に連絡を取り合ってて、やっぱり一度は難しいってことでこうなって・・・。
でもなんとかやりたくて今日になりましたエブリバディ。
ただヒラマさんは売れっ子だからね、久々に四人で」会場笑。
最終的にはその雑音はこの辺では直ってました。
「町を見下ろす丘っていうアルバムから、初めて四人だけでやる曲です」
これで「流れ星のやうな人生」やられたら号泣するな、と心の中で思っていると・・・。
M11 何故だか、俺は祷っていた。
四人で初めてのこの曲というのは意外。
レコーディングでは佐久間正英さんが、ライブでは蔦谷さんとかが常に居たからかな
でも蔦谷好位置さん入る前の曲だしなあ、とぼんやり考えられたのは最初だけ。
途中から身体の汗に混じって目からの汗が何故だか噴き出してくる…。
終わり方も余計な音鳴らさないで凄くキレイにまとめてました。
これはダイジェストで公開されるんじゃないでしょうか。
M12 明日への記憶
集中力凄い。
M13 赤き空よ!
「レコーディングでは死ぬほどギター弾いてるんですが、ライブでは俺がギター弾くの初なんです」
会場からは「えー?」てな雰囲気が。「いや、いつもミッキーが弾いてくれるから」
「なるほど」と一転会場からは納得の雰囲気。
演奏後「一つかどうかはわからないけど、俺たちはこの空の下に生きてるんですよね」。
「アルバム唯一の散歩の歌です」
「ライブハウスってことで、チューニングの音も聞こえる中やっております」
確かに左右からチューニングの音が絶えず聞こえる。
「それで、チューニング沢山して、あ、違う散歩沢山して」会場笑。
「盛岡城にも行って、盛岡ってこういう街なんだってちょっと分かった気がします」。
M14 夜の道
最初男椅子に座ったまま演奏してたんですが、また途中中断。
「モニターがデカい」ということを言って、PA卓に向かって「おい、こっち見ろよ」。
「ずっとツアーやってて、フェスもあって、まあエンジニアの人も
ちょっとずつ変わってるんですよね」
「やり直します」と今度は立ったままアコギを弾きはじめる。
口笛もキレイに決まりました。
M15 幸せよ、この指にとまれ
一気に会場ごと明転。まばゆい光状態。
会場は暗くなって暗澹としている中、「石君さっきの曲あんまり弾いてないよな」。
M16 悪魔メフィスト
記憶があやふやなので、本編最後の方一曲ぐらいすっ飛ばしてるかもしれません。
宮本は投げキッスをしながらメンバー退場。
ライブハウスはさすがというか、アンコールでメンバーが出てくる時に
「出ます−」「うっす」「ちっす」というメンバーとスタッフの方との気合いの
かけ声がこちらの方まで聞こえてくる。
宮本白シャツで登場。
en1 Sky is blue
en2 笑顔の未来へ
イントロギターの時点で「笑顔の未来へ」ということが(まあ勿論ですが)会場内で分かり
これは盛り上がりました。水戸の熱気を思い出しました。
「六月だけど、六月だよね?聞いて下さい」
en3 四月の風
今回のライブハウスツアーでの定番曲をここに持ってきてくれました。
「少し乾いた盛岡の風が 俺たちを誘いに来たようだ」。
「これは昔、成ちゃんと二人で作ったんです。ダンディーブラザーズの初期の曲」。
ここで宮本は成ちゃんを前に出す、成ちゃんは客席に向かって軽く一礼。ダンディ。
「まあ分かりやすい曲だから」「ワン、トゥー、ワン、トゥー、スリー」
en4 星の降るような夜に
確かに分かり易く明快。ど真ん中。会場大盛り上がり。
途中で成ちゃんの帽子を石君に被せる、これが妙に似合っている。
「あそう 星の降る夜さ・・・」ギターとベースと綺麗に終了。
曲終わった後に帽子を石君から成ちゃんに戻してました。
「オッケー、トミ!」
en5 FLYER
「石君レッツゴー!」と指で石君を煽る。
en6 ファイティングマン
当然会場は大盛り上がり。
宮本はステージ右の方で盛り上げたと思えば、ちゃんと左に行って盛り上げる。
意外とバランス考えているのかも、と思ってしまいました(笑)。
あとはもうモニターに乗っかるわ、男椅子に乗っかるわ大暴れ。
「また会おう、サンキュー盛岡!」退場。
宮本黒シャツで再登場。
「えっとねえ、サ店に7軒ぐらい行ったんですよ」え、盛岡だけで?
「昨日盛岡着いちゃったから、そこのドトールとかね」
「でもドトールって流行ってるんですかね?喫煙席に行ったらこんな風に
(身を細らせるジェスチャー)座っちゃって」会場笑。
en7 俺たちの明日
これも定番の熱狂曲。「頑張ろうぜ!」の時の宮本の握り拳が印象的。
トミに向かって「ワン、ツー」、けれどトミとは合わず、これを三回ほど繰り返す。
一旦「止めた」と宮本。本当に止めてしまいそうで怖い。
宮本「ちゃんとやって?」、それに対して頷くトミ。そのトミが可愛かった。
en8 花男
「俺の姿を忘れるな!」忘れないって先生!
「エブリバディ、生きていこうぜ!」
ラストに「成ちゃん、トミ、石君、ミヤジでした。サンキュー!」退場。
トリプルアンコールをちょっと期待するも客電ON、21:17くらいか。
ホールツアーでは全曲やっていた「悪魔のささやき」からは「カノカイ」「歩く男」「九月の雨」が未演奏でした。
これだけ書いてて今更ですけど、本当にひっさびさの四人でした。
蔦谷さんやサニーさんが居なくても、ヒラマさんは必ず居るという最近の状況の中、四人。
スペースの問題か「四人で行こう」と決めたのかは分からない。
本当にヒラマさんのスケジュールかも分かりません。
ただ宮本が「四人です、最近ではレアです」と何度も強調していたのも事実。
ずっと五人ないし六人でやってるせいか、細かいところでミスやズレがあった。
機材ミスややり直しもあって、テンションは上がったり下がったり。
ライブ全体での出来だけみれば仙台の方が高かったかもしれません。
けれど四人だからこそまあ好き勝手に遠慮無く怒鳴ったりしていて(笑)
最近忘れかけていたけれど、こういう四人の波動なり機嫌の良し悪しが隠れることなく
出ているエレファントカシマシを好きになったんだよなあ、と再認識。
今日の一番のツボは最後の最後「成ちゃん、トミ、石君、ミヤジでした」の所。
この先どうなろうが、このガキの頃からの友達四人でスタートして、またいつか
四人に戻るのがエレファントカシマシだ、と強く感じました。
また(自分を含めて)昔のあだ名で呼ぶ宮本が可愛いという(笑)。
もうすぐ45歳の人が「ミヤジでした!」って、反則的な可愛さ、格好良さでした。
ブートレッグでそのラストのラストが収録されています。
まさかあのセリフを動画で見られるとは思ってなかったのでただただ嬉しい。
今日の青森からはサニーさんが合流で、そうなるとヒラマさんも戻ってきそうですが
四人の盛岡はレアで、またスリリングで、久々に「色んなものをむき出しのエレカシ」を
見られた気がしました。これはこれで最高に素敵な夜を過ごせました。
ありがとう四人。今日はきっと東北一格好いい男たちだったぜ。