正直、発売前には「風」というアルバムについてはあんまり期待してなかったのです。
前作「扉」が強烈すぎたのと同時に、「扉の向こう」テレビVerにて「風」に
収録されている数曲のリズム録りが入っていて、そうなると逆算的に、また時期的に
「風」の収録曲は「扉」から外れたもの、有り体に言うと寄せ集め的なイメージが
僕にはあったのは確かでした。
そして実際、一発目の「平成理想主義」を聞いてぶっ飛びました。
『エレカシらしくねえ』。当時アレンジャーとして参加していた久保田光太郎さんの
影響が強かったのでしょうが、「扉」のイメージからは「平成理想主義」は
出てこない。具体的に言うと最初の三曲「平成理想主義」「達者であれよ」
「友達がいるのさ」、そして最後の「風」が久保田さんとの共作で、残りは
「扉」から残ったもの(言い方が悪いな・・・、「扉」未収録曲にしよう)を
詰め込んだものかな、というのが当時の率直な印象でした。
前半とラストは久保田さんとの新しいプレイ、中盤は「扉」時代の名残を
混ぜた異色のアルバムだと思います。
そして最近のライブで宮本が『「風」の時は『アルバム制作指令』がレコード会社から
出ていて苦しかった』云々と言っていたので、よりその感覚を強くしました。
ただ曲自体は面白くて、「友達がいるのさ」は未だに僕の中ではエレカシを
代表する、いやむしろナンバー1の曲として君臨してますし、「DJ in my life」は
未だに「DJ」の意味がよくわからないですが(笑)、独特のリズム感が面白いですし
後半の曲、「勝利を目指すもの」「今だ!テイク・ア・チャンス」はなにか
「作ってみたものの扉のイメージには合わない感」が逆に心地よく聞けます。
「扉」という名作の後にレコード会社からの指令でちょっと無理矢理作った、という
当時の慌ただしさというか空気感が表れていて、決して非凡な作品ではないと思います。
「その時の等身大のエレファントカシマシ」という感じです。
しっかし、このアルバムは悲しいほどプロモーションされなかった記憶が
強烈に残ってます。「え、出しただけ?」みたいな・・・。
- 風
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- 価格: ¥ 3,059
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今日は500kmぐらい車を運転しながら、「もし山崎洋一郎さんへの
インタビューが叶ったのなら」という想定で質問事項を考えたりしてました。
・・・沢山あるんだよなあ。「これでもか!」というくらい。
それよりも前にキチンと山崎洋一郎さんに申込みをしないといけないんですが。
年内にはちゃんとした形でお願いをしたいと思っています。
コメントへのレスは後日にさせて下さい、ごめんなさい。