エレカシブログ 俺の道

ロックバンド・エレファントカシマシ、宮本浩次ファンブログ

宮本浩次『宮本、独歩。』発売。引きずり回して自由へ。

  • アルバム発売。

特典クリアファイル付きで頼んでいたのをすっかり忘れて、「なんだっけこの巨大なサイズ」。
宮本浩次としては勿論初めてのアルバムですが、エレカシ時代を通じていうと、悪い意味では無くこれまでになく新鮮味がなかった。というのも全12曲中、純然たる初聞きが2曲「Fight! Fight! Fight!」と「旅に出ようぜbaby」しかなかった。先行配信などが多くあり、今の時代のやり方でまさしく「新時代」。誤解を恐れずにいうと『夜明けのうた』フル初聞きの方が新鮮味があった。そうして思わず二方のインタビューを思い出してしまった。

宮本「曲順どうでしたか?」
鹿野淳さん「バッチリだと思いますよ。ただきっと、曲順を考え出したらキリがない曲群によるアルバムだと思うんです。この12曲の持っている個性の強さを考えると、これは曲順に正解がある音楽性のアルバムではなく・・・」
(MUSICA 2020年3月号)

兵庫慎司さん「12曲中9曲がタイアップというのは・・・、宮本さんがどこまで意識しておられたかはわかりませんけども、世の中的に、サブスクによって、アルバムというものの定義が壊れちゃったじゃないですか」
宮本「ああ、まあねえ」。
(PAO Vol.95)

特に兵庫さんの指摘は示唆的で、サブスクサービスの普及で、所持や作り込みというものの定義がふわふわっとしつつある。俺もYouTubeMusicで気に入ったモノをプレイリストにしていると、もう本当に古今東西聞けないモノがないんじゃないかというリストで、椎名林檎のあとにトニー谷が来ていたりする。シングルやアルバムという形ではなく、出来た曲をYouTubeですぐ公開する人も居るし、Spotifyでプレイリストを共有、公開したりと、音楽への触れ方が大きく変わりつつあるのを実感します。逆に言えば、いい曲を出せばそれこそリアルタイムに反応があるし、新たな実力主義の時代が来ているのかもしれません。

ってアルバムの感想になってないですね、まだ聞けてないのと、バースデーライブのDVDなんて今週も見られないような気がします。まあ焦らずに。



  • スッキリにも出演。自由へ。

これも面白かった。宮本が自身のInstagramの絵の解説をするわ、スッキリ出演のイメージ図を書くわで、番組と宮本浩次の相思相愛っぷりが画面通じて伝わってくるんですよね。「何度目の出演だ?」とパワー・イン・ザ・ワールド風に問うてみると、俺のHDDに残ってる限りでは、エレファントカシマシも含めたりするとおよそ8回目ですか(そんなに出てたとは)。
また『ハレルヤ』ではスタジオ飛び出して廊下で歌うわ(マスクをして立っている警備員さんがシュール)、サブに入り込んでスタッフさん巻き込むわ、スタジオ戻ってくると興奮して歌詞飛ばしてるわ(おい)。ただこれはスッキリのスタッフの人は大喜びだったと思います。まさかここまで情熱こめて真剣にやるとは。サブのマスクした人なんかは一生の記念でしょうね、羨ましいレベル。スタジオゲストの松田丈志さんはあまりの熱血っぷりに涙がこみ上げているようにも見える。松田さん今後エレカシ宮本浩次ファンになる説(笑)。でもこういうのを見ると、情熱や愛、熱というのが人を、世の中を変えていくんだなというのを肌で実感します。



  • 代替公演も決定。

3月13日の市川市文化会館 大ホール公演が4月30日に、3月15日のイズミティ21 大ホールが5月15日に、3月19日の神戸国際会館 こくさいホールが6月1日に、3月20日サンポートホール高松が5月31日に。よく会場を押さえられたと思います。そして未だに25日の大阪フェスティバルホールもやるかやらないか微妙ですしね。
言っちゃうと3月13日の市川市のライブのチケットは確保していて、ツアー第一弾目だったので相当楽しみにしていたのですが、こればっかりはどうしようもないので(宮本浩次やスタッフの方々の苦労に比べれば何のその)、しかし4月30日になってしまうと行けるかどうか分からない。期限ギリギリまで悩むことになりそうです。

www.tv-tokyo.co.jp

宮本浩次ツアー、序盤4公演中止。

ここ3日くらいでしょうか、全国的に「イベント中止」の風が猛烈に吹き始め、宮本浩次ツアーも序盤4公演が中止に。

この度、新型コロナウイルス感染症に関連した政府および関係機関の方針等を受け、ツアー「宮本、独歩。」につきまして、以下4公演を中止とさせていただきます。
3月13日(金) 千葉・市川市文化会館 大ホール
3月15日(日) 宮城・仙台銀行ホール イズミティ21 大ホール
3月19日(木) 兵庫・神戸国際会館 こくさいホール
3月20日(金・祝) 香川・サンポートホール高松 大ホール
該当公演につきましては、振替公演を実施すべく現在調整しておりますが、今後の情勢等により実施が困難となる可能性もございます。振替公演実施の有無が確定次第改めてお知らせいたします。

あと二週間を切ろうとしている中、何より何より残念なのはアルバム発売、メディア露出、そして今は練習、リハーサル、段取り確認を繰り返して居るであろう「チーム宮本浩次」でしょう(こういう名称を書くのも躊躇してしまうけれど)。希望と緊張と様々な想いをはせながら挑む予定が、ウイルス渦に巻き込まれてしまった。

俺も世の中も「中止」の嵐で、○○中止のお知らせといったメールばかりが来ていて、逆に無事に開かれるイベントがないんじゃないかと思うほど(しかし明日から数万人が集まるイベントには行かねばならぬ)。
この時期に中止となると、その先には(予定では)オリンピックが控えており、代替公演も出来るのかな、とも思ってしまいますが、そんなことは主催者にお任せするほか無く、25日以降のツアーが無事に開催されることを祈るのみです。



ただ最近はこうも思う、「全てのことは繋がっている」ということを。この悔しさ、残念さがいつか表現行為として返ってくるだろうし、特に宮本浩次の病気と復活劇からは「なんとかする男だ」という確信を持ってしまっている。

7年前、ダイノジ大谷さんがラジオで語っていたセリフを思い出す。

えー、エレファントカシマシ花男でございました。今はエレカシ活動休止という形になってますけど、絶対に戻ってくると信じています。
宮本さんが何度も何度もそういう所から這い上がってきている、エレファントカシマシというバンドが立ち上がってきているのはずっと見ているので。

orenomichi.hateblo.jp
(この下北沢シェルターと踏切の写真は、ラジオを聞きながら「撮りに行かねば!」と散歩がてらに撮ってきたものだった。どんだけヒマなのだ俺は)。

きっと「災い転じて福となす」だ。諺は本当に世の中のあらゆることを言語化している。

『夜明けのうた』も配信開始、危うく・・・。

ニュースが多すぎて、また出演、インタビューも多くて追いかけられないですね。

  • 『夜明けのうた』で泣きかける男よ。

いやこれは予想以上に良くて。曲のスケールは非常に大きいし、また宮本浩次の高音がこれでもかというくらい伸びやかに出ている。「おみそれしました」という気持ちと、ちょうど仕事の合間に雨に濡れた街で聞いてたら泣きそうになってしまった。ロマンティックでもあるし、リアリズムも共存している。曲も歌詞も声も、53歳でこんなのが出せるんだと純粋に感動してしまった。これがライブでどう映えるのか。高音もきちんと出るのか。期待は高まります。

夜明けのうた

夜明けのうた

  • SONGSにも出演。

これは本当は出演前に「鎌倉インタビューが楽しみだ」と書きかけて、疲れ果てて書けなかった。病気療養時の「鎌倉で波の音を聞いていていた」というエピソードが好きで、そこを訪のうて、プラス「悲しみの果て」弾き語り。30分ではとても足りず、45分か60分ぐらい欲しかった。


orenomichi.hateblo.jp

個人的な時間軸としては、SONGS→MUSICAだったのですが、冒頭の大泉洋へのプレゼントでMUSICAと鹿野淳さんを思い出してしまった(同誌で昔からグルメ連載をしている)。この二人が同じ番組で共演し(直接ではなかったけれど)、そもそもアミューズ繋がりだ、世の中どうなるか分からない。
上野と鎌倉という激シブスポットを巡る旅で、さすがNHKという出来だった。ただインタビュアー兼演出の伊藤美里さんの立ち位置が中途半端なのが気になってしまった。カメラに見切れ過ぎちゃってるんですよ(笑)。カメラさんの迷いも時折こっちに伝わるというか、別に映るならすぐ横に居てもいいし、見切れてしまうならカメラの位置を考えて動かないと、まあバランスが難しいのは分かるんですが、そこがやたら気になってしまった。

  • 冬の花」MVのシフトパターン。

MUSICAを読んでいると、宮本が「冬の花」MVの車のシフトパターンを「どうして児玉裕一さんは知っていたんだろう」。確かにMVを見たときから変わったシフトだなあ(バックの位置が普通と異なる)と思っていたのですが、宮本も疑問だった様子。ただこれは監督がきちんと調べた説。スタッフやマネジャーさんに聞けば宮本の愛車の車種は分かるだろうし、こだわる人はそこまで調べ上げてきちんと再現してそうだ。でも今見返しても「冬の花」のシフトチェンジでチャプターを区切るという発想は「そういう手があったのか」と純粋に新鮮さを覚える。


  • アルバム、ライブの楽しさと寂しさと。

これでほぼアルバムの曲は出そろって、3月4日に初公開となるのは2曲となりそうです(ラジオで先行公開とかもあるのかな)。ラインナップを今、見てもそのレンジの広さに驚く。「Do you remember?」のような熱血ロックから「夜明けのうた」の高音浪漫曲、コラボ曲まで、宮本から「詰め込みに詰め込んだぞ!」という気合いの声が伝わってきそう。
一方でライブツアーとなると、勿論メンバーは居ない。今回のツアースタッフがどうこうではなく、あの3人が居ない。ツアーには参加予定ですが、どういう心境でライブ開始を待てばいいんだろう。「宮本浩次」以外をどう迎えればいいのか、宮本を必死の形相で見つめる石ちゃん(C)宮本、も居ない。ダンディー(成ちゃん)も兄貴(トミ)も居ない。
大歓声があがり、ツアーが成功したらさらに「そちら」に注力してしまうんではないかという危惧もある。53歳のグルーヴも見たい、けれど今回のように解き放って自由に活動する宮本浩次も見たい。しかしその両立は物理的に不可能。

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私がソロに行くことで、もしかするとバンドがそのまま空中分解してしまうんじゃないかって。でも散歩ならいずれバンドに戻ってくる。ファンのみんなもそう思うし、自分もそう思いたかった。

宮本はこう述べているが、アルバム、ライブとなるとまた心境が変わるのではないか。不安とは行かないまでも、ふわふわとした微妙なドキドキを感じている。この歩みはどこに向かい、どういうゴールを迎えるのだろう。

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