エレカシブログ 俺の道

ロックバンド・エレファントカシマシ、宮本浩次ファンブログ

エレファントカシマシ 2015年9月27日 日比谷野外大音楽堂(追記完了)

日比谷公園は土日と日韓交流フェスティバルが開かれており、首相夫人もいらっしゃる中、今の緊張状態を表すかのように物々しい機動隊・警備のバス。それらをすり抜け日比谷公園へ。こちらは平和そのもの。

スチルカメラにビデオカメラ、さらにモーションカメラの人も両手を使って動画撮影、。会場を動き回り、「記録」の準備は万端の中、ピアノのSEが流れ、不気味なほど静まりかえった客席。開演前のスタッフがメンバーに対して「はい、お願いします」という気合いの声もステージに聞こえてしまうほどの静寂っぷり。
17:31、男達が登場。・・・石君がナマ足。ホットパンツ・短パンのようでしたが、これは石君ファンは今日は悶絶必至(宮本に「あんたこれ着なさいよ、みんな喜ぶから」と言われたか)。
そんなお客さんのどよめきを横目に、宮本は「ようこそエブリバディ!晴れてよかったですね。まあ雨なら雨でいいんだけど、聴いて下さい」。


M1 おはよう こんにちは
声は通常以上に出ている印象。宮本は最初はマイク一つで歌うも、途中からギターを持ち出し、さらに石君にアイコンタクト。


M2 ドビッシャー男
出だしからのトミのドラムが軽快!どうやったらこんなに速く弾けて、手が絡まないか不思議なくらい(笑)。間奏部分で宮本は再度石君と向き合う。またラストで自分自身を指さし「ドビッシャー男」宣言!アウトロがCDよりもかなり長いか。


「今日は素敵なゲストも来ています、みんなに捧げます」。
M3 悲しみの果て


「20代は家で寝っ転がっていて、バンドの練習の無いときに考えてた曲です。今日はマニアックに行くぜ」観客は大歓声。
M4 ああ流浪の民
曲のスタート時に石君と身体でタイミングを取り合う。「いつも何かが背中に立ってる」で歌詞通り(?)キーボードに背中で寄りかかる宮本。次の「かげぼうし」後はトミいじり、そして石君に密着。どんだけ仲が良いんですか先生。またラストにたまたま石君のナマ足にライトが当たってキラキラに光る。これは石君ファンたまらんでしょう。


野音の練習をレコーディングの合間にやって、3時間ぐらいで終わらそうと思ったら8時間か9時間ぐらいやってしまった」。お客さは「相変わらず凄いな」という感心モードだったのですが、宮本は滑ったのかと思ったのか「面白くないですね、面白いと思って言ったんだけど」、それにはお客さんも拍手。


M5 誰かのささやき
照明が、ステージ背後からの宮本へのスポットライトへと。良いリズムでギターが鳴っているなと思っていたら、ヒラマさんのギター。
またやはりエレカシの演出部隊の方々は宮本をよく知っていて、途中の「1,2,3,4 そうさ」部分の「そうさ」で決めライトを出すも、宮本がもう一度やり直そうとする。その動きをすぐに察知して、一旦ライトも外して、再度の宮本の「1,2,3,4 そうさ」にバシッと合わせてくれる。これはエレカシ・宮本の動きを長年見ていて、また気心知れていないと出来ない技だと思います。客席で素直に感心してしまいました。
ラストの6人の一体感!そして曲後、宮本は「途中でアレンジ変えちゃって悪い」と軽く謝る。


曲の合間合間に(恐らく楽器の上に貼られているであろう)セットリストの紙に盛んに目を通す宮本。一曲一曲、どんな出だしで、どんなタイミングで出だすかシミュレーションをしているかのよう。


M6 暮れゆく夕べの空
宮本は野音だと「時間の配分間違えちゃって、明るいのに夜の曲やっちゃった」的なことを言うのですが、この曲は時間のシミュレーションもビタリと当たってて、このあたりから日比谷野音が夕暮れから夜に変わり、野音名物の虫の音がよく聞こえる状態に。
途中可愛いのが、石君が「あ、この後コーラスだ」てな感じで、完全に曲がっていたコーラス用マイクをきちんと直し「フリーダム」のコーラスを決める。


「キーボード、細身魚!凄い人なんです。急に思いついて呼んだら来てくれました。野音にふさわしいゲスト。暮れゆく夕べの空も当時一緒にレコーディングしました」。今日は「男」蔦谷好位置さんは東京国際フォーラムでSuperflyのライブ。距離的にはすぐ近くも、日程丸被り。
「隠れた名曲、聴いて下さい」
M7 夢のかけら
間奏で石君が前に出る。そして宮本は「イェー!」と絶叫。『夢のかけら・・・』あたりの部分だけヒラマさんの素敵なコーラスが挿入。


宮本、ギターチェンジ。そして男椅子登場。曲と曲の合間の静寂の時間には、恐らく日比谷公園での日韓交流フェスの音が紛れ込んでくる。それを宮本も察したのか「何か音がするね」。
「改めてキーボード、細身魚さん。『生活』のレコーディングを一緒にやりました。『月の夜』聴いて下さい」。ステージ背後を振り向くと、見事すぎる月が見える。


M8 月の夜
まさに『月の夜』に月の歌。ただ宮本のギター演奏時には日比谷公園のフェスの音が紛れ込んで来てしまうのが少し残念。ラストの宮本の声が凄く伸びている。


曲間にあまり間を置かず「1,2,3」と声カウントで次曲へ。
M9 自宅にて
途中で聞き取り不能な絶叫多数。若かりし頃の言葉に出せない苦悩をそのまま出している。またこの曲が東京のど真ん中、官公庁が並ぶ街のステージで三千人以上が聞き入る中でで大音量で流れる痛快さ。ラストは宮本が演奏を止めて、「イェー!」とこの曲のまとめ的な絶叫。


M10 待つ男
成ちゃんの独特のベースでスタート。このタイミングでこの曲が来るか!いつものようにステージのライトは真っ赤。宮本もハイテンションになりモニター乗っかり絶叫。『誰も俺には近寄るな』でさらにモニターに乗っかったまま、宮本はステージに背を向けて、目線はメンバーへ。途中で桂三枝のように「いらっしゃい!」「エレファントカシマシです!ナナナナナナナナ!石君です!」「ラタトタタトタ!」。
会場は大歓声。そして近年の「ライブラストの曲」となっていることも意識してか、宮本「まだ終わりじゃありません」会場笑。メンバー紹介。総合司会時に手を振る宮本。


「一番新しい、自信作」大歓声。
M11 TEKUMAKUMAYAKON
ただ、最初の「帰りたい」の高音部分は相当厳しい。その後の「行くしかねえ」はバシッと。「人生はいつでも破れし」からは真正面から宮本を照らすホワイトライト。とにかくリズミカルかつハイテンション。しかし全般的に高音部分は厳しめ。
最近は新曲群ばかり聴いているので、宮本のセルフコーラス部分は勝手に脳内で再生されてしまう(笑)。ラストに「行くしかねえ!ありがとう!」大歓声。


イントロ時点で会場は大歓声。石君を前に出し「もう一丁」と宮本。
M12 星の砂
「ますます犠牲が多くなる」で宮本、全身を使ってメンバーを煽る。「星の砂」でのお客さんが両手を振るシーンをハタから見ていると、何千本もの羽が鼓動しているかのよう。右に左に動き回る宮本。「日本の神を中心にして」の「中心」で自らの股間に手を当てる先生。


男椅子にいつもの「宮本座り」。
M13 珍奇男
最初の「珍奇男」の後に「ホームグラウンドに帰ってきました!」で大歓声。途中まで椅子に座り、演奏に集中するも、そこからは動き回り、成ちゃんを前に出して成ちゃんとセッション、その後トミ、細身魚さん、石君とのセッションを繰り返す。長時間も見応えのある珍奇男。


M14 極楽大将生活賛歌
少しばかりテンポが速いか。「さあ行ってみよう!」で大歓声。
曲後、「極楽大将でも何でもいいから、健康に留意して生きていきましょう!」。「一部終了のこの曲を聴いて下さい」。


M15 四月の風
流れるようなメロディ。「ありがとう、ようこそ野音へ!」。
曲後は「野音ありがとう!」投げキッス、大ジャンプを二回繰り返し退場。18:49。



18:50、宮本は白シャツでペットボトルの水を飲みながらの登場。アコギをつま弾きながら。
M16 生きている証
序盤は囁くように。トミのドラム叩きはじめのタイミングが絶妙。高音での「生きて生き抜く力」のフレーズが印象的。また最後の最後で「生きている証」で自らの胸をポンと叩く姿がやけに目に残る。


曲間は相変わらず虫の音。そんな中を「1,2,3」と宮本の声カウント。
M17 ワインディングロード
こちらの選曲もなんだかお久しぶり。途中歌詞がチグハグな部分も。「分かるかい?」でいいギターの音がなるんですよ、その主はヒラマミキオさん。


「今日は月は出てる?みんな好きだよね、中秋の名月。そんな日にコンサートが出来て嬉しいです」大歓声。「フゥー・・・」と声を吐きながら「散歩の歌です、聴いて下さい」。
M18 月夜の散歩
「夜は更けてゆく」あたりから宮本の様子がおかしい。声が出ていないのか?と思っていたら、むせび泣いている・・・。曲途中から涙、涙で泣きながら曲が終わる。どうしたんだ宮本。何度もタオルで顔を拭う宮本。会場は大拍手も、ややあっけにとられて宮本を見ていると、宮本が語り出す。
「sweet memoryというアルバムの時に、佐久間正英さんがピアノを弾いてくれて、作業してくれているのを思い出しちゃって・・・、こういうの言うのはかっこ悪いんだろうけど・・・」。佐久間さんの名前が出た瞬間に(全く接点がない俺でも)瞬間的に涙が出てしまって。きっと佐久間さんも熱心にサポート・ジャッジ・プロデュースをしてくれて、その光景を思い浮かべて、49歳の男がむせび泣く。日比谷野音中に貰い泣く人が多数。この曲についてはもうなんと書いていいかわかりません。


M19 今宵の月のように
宮本は照れ隠しか、すぐに次曲を演奏し出すも、最初の「くだらねえとつぶやいて」が涙声で出ていない。再度歌い直し。「輝こうぜ!」と拳を突き上げ。ラストも「いつの日か輝くだろう 今宵の月のように」と再度繰り返し。涙の後の今宵の月はなんと美しいことか。

「世の中めんどくさいことが多いけれど、意外とめんどくさいことの方が大事だったりするんですよね。めんどくさがって後悔したりとか、夕方から散歩したりね」。
M20 めんどくせい
CD発売以来聴きまくっている痛快ロックをついに発売後ライブで。また真っ赤なライトになってステージがギラギラと燃え上がる。
曲のテンポ自体もCDと同じく、後半スピードアップ、そして一旦フェードアウトからの盛り上がって、ラストという「めんどくさがってない」痛快ソング。


イントロのギター時点で「待ってたぞ」的な大歓声。
M21 化ケモノ青年
都度都度いいギターの音色が聞こえると、音源を探してみるとヒラマミキオさん。「魂は右往左往」で替え歌(?)は披露しなかったけれど、手は股間へと。曲中2度ある手拍子のうち、1度目は正当手拍子も、2度目は恒例の「お尻ペンペン」。「酒持って来い!」と言いながら男椅子を蹴飛ばして倒す男。そんな男もアノ19世紀以来減ってしまっただろう。
ラスト部分は「行け!高緑!」、宮本は付近にあったタンバリンも出動させて、バシッ!バシッと叩く。ハイテンションなままラストへ。


M22 ズレてる方がいい
あの「病気のご挨拶の野音」から早二年。フルスロットルな「ズレてる方がいい」も去年の野音以来戻ってきた。「おまえと流したい」で宮本は思わずガッツポーズ。
「本気な方がいい」でモニターに跨がっての「本気宣言」。

石君、ヒラマさん方面を向いての合図。
M23 ガストロンジャー
数曲前までむせび泣いていた男とは思えないほどの「気合いソング」の連続。


「ようやくアルバムを作っていて、マスタリングまでたどり着けました。アルバムも11月中頃、いつだっけ?11月18日?その日に出ます。結果的に怪我の功名になったかもしれません。アルバムのタイトルは「レインボー」です(大歓声)。11曲から12曲ぐらい入る予定で、何を入れるか迷ってます。周りからは「TEKUMAKUMAYAKON」の評判がいいので入れようかな、と考えていたり。まあ焦っちゃってね」まさかのアルバムのタイトルまでの宣言に観客からは大歓声。
M24 RAINBOW(新曲)
激しいテンポに激しい演奏。ただ歌詞が聴き取りづらい。かろうじて「暮れゆく街」「見飽きた街」「変わらぬ輝き」といったキーワードが拾えるぐらい。ライトは白と青のフラッシュライトがまぶしく照らす。宮本は胸をはだけ、そしてテンポも途中から転調。


M25 生命讃歌
「さいさいさいさいさい・・・」この「さい連呼」はさいたまスーパーアリーナ限定だと思っていました(笑)。「まさしく宇宙!」そして吐き捨てるように「好きだね」。生きていることが、音楽が、ライブが大好きな男がステージ上で暴れ回る。
ラストは「サンキュー!ありがとう!」宮本を見るとイヤモニが外れ、ぶらさがり、けれども意に介さぬように淡々と退場。19:45。


19:48、6人登場。宮本は黒シャツ。「成ちゃん、変身しなくていいの?」いやオオカミじゃないんですから先生。
en(1)1 星の降るような夜に
リズミカルな始まり、また天気のいい月の夜にはよく似合う。ただ部分部分でキーボードが少し原曲とは違って聞こえる。
ラストに「行こうぜ!」「サンキュー!」ステージに立ち尽くす宮本。


間髪あけずにそのまま「おいっ!」それだけで俺は泣きそうになってしまう。
en(1)2 友達がいるのさ
「また出かけよう」の部分のベースが最高に格好いい。成ちゃん変身している(おい)。「立ち止まったって、何だっていいぜ、行こうぜ!」。曲終わりに「ありがとう!本当にありがとう!」「細身魚さんでした!」6人退場。19:58。


19:59、6人登場。なんたることだ、ここで蔦谷好位置さんが東京国際フォーラムでのSuperflyのライブ終了後にスピード参戦。宮本は「蔦谷好位置、もはや新メンバー」。蔦谷さんはスタッフの人にキーボードの状況についてアドバイスを受けている様子が見て取れる。
en(2)1 愛すべき今日
この曲に携わった蔦谷さんも加わっての野音での初披露。バシッと決まりすぎたせいか、ラストは思わずどや顔の宮本浩次


en(2)2 ファイティングマン
前曲とは打って変わっての激烈ナンバー。もはや力は残さなくともいいという激烈テンションからか、あちこちに檄を飛ばす宮本浩次。この「地元のダンナ」はまだまだ力は有り余っているんじゃないか?そんなことを想像させるかのような元気さでステージを力強く歩き、ボーカルをぶっ放す男。
イヤモニは完全に外れっぱなしのままのエンド。
エレファントカシマシでした!」、そしてステージを去ろうとする5人に「残れ、残れ、ローリングストーンズみたいにやろうぜ!」明らかにとまどう5人。特に蔦谷さんとヒラマさんは「ここに残っていいの?」てな戸惑いが見て取れる。けれど宮本の圧に圧され、6人全員で観客席に向かって手を上げてお礼をするシーン。本物のローリングストーンズはナマで見たことはないけれど、きっと肩を並べるくらいに格好いい男6人の「最後のご挨拶」。思っても居ない展開に観客も今日一番の大拍手。
そして宮本は「レコード買うように!」観客は苦笑いとさらなる拍手。去り際に成ちゃんの胸を出すという「ガキの頃からの総合司会」っぷりを見せたまま退場。20:10。
終演後、アルバムリリース告知と共に、今日のダイジェストがDVD特典になることが発表されましたが、この「名シーン」はDVDでも再現されるんではないでしょうか。


とにかく「涙」が印象的なライブでした。正直(俺自身もですが)あまりの「月夜の散歩」の泣きっぷりに「先生、失恋でもしたか?」と思った人も多いかと思うんですが、涙の理由を聞いて、思わず俺ももらい泣きしてしまうという・・・。この感受性の高さ、けれどすぐに激烈テンションを取り戻し「怒りの歌」への豪快なシフトチェンジっぷりがこのバンド(総合司会)の魅力だよな、ということを再痛感させられました。佐久間さんも「宮本君はそう来なくては」てな感じで笑顔で見てくれているような気がします。
そして空にはキレイすぎる月。ここまでキレイな月の下の野音は少なくとも俺自身は初めてだった気がします。そんな中での「今宵の月のように」。そしてアルバムタイトル公表、「RAINBOW」披露、ラストは「ローリングストーンズ!」という、「新しい動きへの第一歩」を力強く感じさせるライブ。「涙と月」の二つのフレーズが帰り道にずっと頭をよぎっていました。間違いなくこの日、東京中で一番格好良かった男達だったと思います。


(第1部)
M1 おはよう こんにちは
M2 ドビッシャー男
M3 悲しみの果て
M4 ああ流浪の民
M5 誰かのささやき
M6 暮れゆく夕べの空
M7 夢のかけら
M8 月の夜
M9 自宅にて
M10 待つ男
M11 TEKUMAKUMAYAKON
M12 星の砂
M13 珍奇男
M14 極楽大将生活賛歌
M15 四月の風

(第2部)
M16 生きている証
M17 ワインディングロード
M18 月夜の散歩 (ただただ涙…)
M19 今宵の月のように
M20 めんどくせい
M21 化ケモノ青年
M22 ズレてる方がいい
M23 ガストロンジャー
M24 RAINBOW(新曲)
M25 生命讃歌

en(1)1 星の降るような夜に
en(1)2 友達がいるのさ

en(2)1 愛すべき今日
en(2)2 ファイティングマン


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