エレカシブログ 俺の道

ロックバンド・エレファントカシマシ、宮本浩次ファンブログ

1966年生、赤羽育ち、宮本浩次。

東京都教育委員会の「江戸から東京へ」の教科書や、『戦後日本の高度成長』のような特集を見るたびに、「宮本浩次は戦後の日本男児のモデルケースみたいだなあ」と訳の分からないことを考える。


サラリーマンの父と愛情あふれる母、温厚な兄の下に誕生。東京オリンピックも終わり時代は超高度成長の波。住宅不足の中、当時は人気あふれる赤羽台団地に育ち、小学生からNHK東京放送児童合唱団に入り、都内の高校・大学に進学。20代は日本経済はバブル真っ只中。


そのままサラリーマンに進めば本当に「ザ・戦後生まれの男」で平穏な人生を送っていたかもしれない。どっこいそこは「宮本浩次」。10代から20代にかけて『この世はお金が大事です』と「今を予言していた(C)宮本浩次」『デーデ』、『ファイティングマン』『花男』をぶっ放す。まあ発売当初はコケましたけど(笑)、世の中バブル経済真っ只に『浮世の夢』『東京の空』の青春ロマンむき出しの浮き世暮らし。


そしてエレファントカシマシ自体はレコード会社との契約が打ち切られる、けれどそれさえも糧として『悲しみの果て』『今宵の月のように』で電撃的カムバック。


高度経済成長は止まり、バブルも弾けて、ミレニアムをまたぎ21世紀に入り世の中が混沌とした時代になったところで『ガストロンジャー』にて世の中への怒りを再度むき出しにし始める。


しかしまたもやレコード会社との契約を打ち切られ、再度それらを糧に『俺たちの明日』『笑顔の未来へ』『桜の花、舞い上がる道を』で再度のブレイク。


世の中がさらに迷走に向かい、変な同調圧力が強まってきたところで『ズレてる方がいい』発売。(『ズレてる方がいい』は発売時期が宮本の病気と重なってしまい、プロモーションが出来なかったせいもあってか、あまり世の中には広まってませんが、この曲はこれから先もっと評価されるべき曲だと思います。『デーデ』と同じくらい未来を予言していると勝手に考えています)。


こうやって戦後日本のあらましとエレカシのあらましを見ていると、重なって見える部分があるというか、もう読んでいる人には「なんと大げさな」と笑ってもらっても結構なんですけど、ここまで来るとエレファントカシマシ宮本浩次は歴史が、戦後日本が必然的に生み出した表現者なんじゃないかと思うんです。もう世の中全体の力で「宮本浩次」という人間や才能を作り上げて、生み出したんじゃないかと。


・・・言ってることが訳分からないですね。冒頭の文章に戻るんですが、もう「戦後の日本家族の理想モデル」のような環境で育った男が、世の中に真っ向から歯向かって(但しその『刃向かい』はものすごく正当な抗いでもある)、その後の混沌とした訳の分からない時代になっても変わらぬ価値観で、むしろ時代を先取る勢いで、自分の核をしっかり持って『ズレてる方がいいぜ、明日に向かって歩きだそう』と言い続ける姿がなんとも面白くて、そして比類無いほどに格好いい。


また宮本浩次自体は古風でアナログな人間ですが、もの凄く頭が良く時代の変化に敏感で、「人間の、男の生き方はこうあるべきだ」というのは常日頃凄く考えてると思うんですよ。電車に乗って本を読んでようが、車で運転してようが「俺たちはこれからどう生きるべきなのか」というのをきっとあり得ないぐらいに考えていて、それを曲に溶かし込む。ライブ活動で表現する。


それで俺自身が信念の無い人間なので、もう価値観がブレブレになるんだけれど、けれどふと立ち止まりエレカシの曲を聴くと「あー、そうだ、自分の核を持って生きねば」みたいに感じて、考えて、また勇気が出るんですよ。他の人がどう考えてエレカシを聞いてるかなんて分からないですけど。


結論としては「こんなめちゃくちゃな時代にはさらにエレカシが必要だ」となっちゃうんですが、こうも価値観が変動する世の中において、こうも価値観が(核が)変わらないエレファントカシマシ宮本浩次はこれからさらに世の中に必要とされる、世の中が欲する音楽なり考え方なりを提供する表現者になるという確信を持ってます。そしてエレファントカシマシが世の中から評価されるというのは実はまだまだ先なんじゃないかと思います、本当に。





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しかし世の中の動きは本当に早く激しい。Instagramで撮影された写真がTwitterを通じて世界中に配信されるという。さすがに先生はこのシステムは分からないと思いますが(笑)、「例のレコーディングスタジオ」(もうこのスタジオでの時間は、家での生活時間より遙かに長いんじゃ無いかと思わせるぐらいに頻出してますね)で撮影された写真がスマホで格好良く補正され、あっという間に誰もが見ることが出来る。ここまで来ると便利なんだか窮屈なんだか分からないSF的世界。


しかし、こんな時代もエレファントカシマシは確固たる価値観で生き抜くだろう。その生き抜く様をまだまだ見ていたい。そしてこの男たちが勝つ姿を目に焼き付けたい。そう思いながら今日も男たちの音楽を聴いてます。