エレカシブログ 俺の道

ロックバンド・エレファントカシマシ、宮本浩次ファンブログ

気を抜けない男。または常に全力過ぎる男、宮本浩次。

先週土曜日のフジテレビ系ミュージックフェアは凄かったですね。
最初の「今宵の月のように」、13年前の演奏とのことなんですが、ものっすごい声が出てない(笑)。ビックリしてしまうレベル。
当時はそれこそプロモーションしまくりタバコすいまくり等々で多忙極まりだったんでしょうが、それにしても声が出てない。
見ながら「これで当時よくOK出たなあ」と思ってしまったレベルでした。それに比べれば今は声が滅茶苦茶出てますよね。


トークとなれば椅子から立って身振り手振り、己の全身全霊を使い果たして、目の前の人に何かを伝えようとする男。
それを見ていて、今更ですが「先生、良くも悪くも気が抜けない人なんだなあ」と思ってしまいました。
テレビだろうがラジオだろうが雑誌だろうか、どんな取材だろうがライブだろうが、己の全部を使って曲なり自分の考えを伝えようとする。
こりゃプロモーションとかは毎日そんなことの繰り返しだろうから、神経も肉体もすり減ってしまいそうです。


そんなことは、己のことも考えに考えすぎる男・宮本浩次、自分でもとうに分かっているので、著書「東京の空」でもこんなことを書いていた。

「あなたは笑うかもしれないがあえて言おう。俺は責任感が強い上に完璧主義者、おまけにどんなことにでも首を突っ込みたがり、神経質で気難しく・・・。
 まあ良くも悪くもそういううるさいたちの男なのだ。俺の本業はあくまで音楽を作り、それを演奏することだ。
 つまりレコーディングとコンサートは現在の俺の生活を司る二本柱なわけだ(ああ、もう少し俺のぐちを聞いてくれ)。
 さらに言えばのめり込みやすいたちの俺は、レコーディングに入るとレコーディング、コンサートに入ればコンサート、プロモーションならプロモーションと
 それはそれは、端で見ているときっと失笑を誘うくらいにのめり込んで、余計なことまで気をまわし、疲れ果てて帰ってきても寝ないで車に乗っているという・・・」
 (東京の空 18頁、19頁 1999年12月10日付)

引用してて気がついたんですが、ちょうどこの原稿を書いた半年後ぐらいに今回オンエアされた「今宵の月のように」を披露していたので
「そりゃこんな声にもなっちゃうかもしれないな」と思ってしまいました。
今もプロモーション、そして何よりスペシャルライブの一ヶ月前なので、あらゆることが同時進行で進んでいるようなので、なんとか身体に気を付けて欲しい。


ただ今回のオンエアもそうですが、「なんとか目の前の人に自分の気持ちを伝えたい」という過剰なエネルギィはロックミュージシャン、もっと言えば表現者の証だと思うんです。
ハタから見ると滑稽だったり、失笑ものなのかもしれませんが、きっと確実に一定数の人には伝わっていて、テレビを見ている人の中には、この男・宮本浩次の意気を感じ取って
「なんだか分からないけれど、この気迫溢れる男の歌を聴いてみようか」となる人がいるはず。ってかまさに12年前の俺がそうですもん(笑)、ずいぶん遠くまで来てしまった。


そして明日、12月4日のFNS歌謡祭ではなんと木村拓哉さん×エレカシという、「長生きしてみるもんだ」と思ってしまうほどの組み合わせ。男前五人が勢揃いです。
何を歌うのか、どんなコラボになるのか、どんな話をするのか、全く予測つきませんが、少なくとも今なら絶対に声はいいはず。13年前はおろか復帰前より物凄く良い。
そしてどんなパフォーマンスになろうとも、明日は「全く気を抜けない全身熱血表現者」たる宮本浩次エレファントカシマシが輝く月をさらに照らす日になる、そんな気がします。




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