エレカシブログ 俺の道

ロックバンド・エレファントカシマシ、宮本浩次ファンブログ

ロッキング・オンの「エレカシ愛」が相変わらずそこはかとない件

株式会社ロッキング・オン社長である渋谷陽一さんが、自身のブログにおいて突然意味不明な記事を書き出す。


エレカシ、宮本くん秘蔵写真です
http://ro69.jp/blog/shibuya/92056

先日、全アーティストが発表されたカウントダウン・ジャパンのラインナップにエレカシの名前を見てホッとされた方は多いと思います。
夏、冬を含めてウチのフェスでは、ほぼ皆勤賞だったエレカシなので、去年の冬と今年の夏、仕方のないことはいえ、彼らの不在はとても残念なことでした。
そのエレカシが今年のカウントダウンに戻って来てくれます。とても嬉しいです。宮本くん自身もフェスのステージに立てることを、とても楽しみにしてくれています。
この写真は、現在発売中のブリッジに掲載されているインタビューの、アザー・ショットだ。撮影も僕が担当しました。
誰も言ってくれないけれど、宮本くんを撮るカメラマンとして、僕はかなりいけていると思う。いいショットが多くて選択に悩む。
そんなわけで、ここでアザー・ショットをアップさせてもらいました。

凄く嬉しいんだけど、意味が分からないんですよ(笑)。フェスに戻ってきて嬉しいことや、宣伝も兼ねてるなら分かるんですけど、なぜ秘蔵写真を載せる必要があるのか。分からない。


単行本「風に吹かれて−エレファントカシマシの軌跡」の冒頭では渋谷さんはこう書きだしている。

新たな日本のロックの文体を作りつつある破格の新人バンド。


音楽関係のメディアに関わっていて、仕事としてのおもしろさを感じることがいくつかあるが、「これは!」と思える新人グループに出会った時の喜びもその中の大きなもののひとつである。
しかもそれが、まだ世間で知られていない新人だと、思わずほくそえんだりしてしまう。
(中略)
さてそこでエレファントカシマシだが、これは僕にとって年に一度、あるいは数年に一度といっていいくらいの出会いの感動を与えてくれたグループである。
まず、今までの日本のロックにない文体を持った言葉の感覚に驚いたし、それを伝えるメロディーの明快さと、ヴォーカルの力強さが、新人バンドとしては群を抜いていた。
デビュー・アルバムを聴くと、あまりにもクリアーに言葉が耳に入ってくるのに驚かされる。
これはメロディーが言葉の付属物になったり、あるいはその逆になったりせず、言葉のリズムとアクセントに忠実にメロディーが作られ、メロディーの骨格がしっかりしているからである。
(中略)
現在、宮本は都内私立大学の3年生。
親を安心させるために行っているが、早く卒業しようと思っている、音楽に思い入れはないがミュージシャンは絶対続けるつもりだという。
しらけながらもしたたかなこのバンドをジャパンは追い続けていくつもりだ。
(インタヴュー渋谷陽一 ロッキング・オン・ジャパン1988年4月号)


エピックとの契約が切れて、さらに当時の事務所が解散した直後のエレカシについて、山崎洋一郎さんはこう書く。

さあ、そろそろいくぜ!
新事務所、新レコード会社でエレカシが再び走り出す!


エレファントカシマシが新しいマネージメント、新しいレコード会社のもと完全に活動を再開する。ついに、する。ついにするぞ!
ちゅう事でここに至るいきさつを少しだけ書いておきたい。ここんとこエレカシ載らねえじゃねえか山崎のドアホ、という声にも応える意味で。
まず、おととしの暮れにエピック・ソニーとの契約が終わった時点で、事務所や僕のところにレコード会社数社から打診があった。
その時は(当然ながら)事務所に全ておまかせするというスタンスで僕はただただ幸運を祈るだけにとどめていた。
のだが、その後事務所も解散するという事態になった時点で私は親切の無理強いを決意、宮本に連絡をとり、「エレカシ業界復帰推進プロジェクト」を発足したのである。
メンツは宮本とロッキング・オンの社長・渋谷陽一、そして私。
業界で孤立している3人が集まってどうする?という気がしないでもないが、何しろ宮本は音楽的には天才だがビジネスの交渉は赤んぼ同然なので、ま、仕方ない。
それから約半年、それまで来ていた話を検討しつつ新しい事務所やレコ−ディ会社にも話を持ちかけながら、ついに決まったのがフェイスA&Rという新しい会社。
マネージメントもレコード会社もここがやる事になった。発売はポニーキャニオンからという形になる。
(以下略)
(ロッキング・オン・ジャパン1995年12月号)


上記単行本の最後に、宮本浩次はこう書く。

山崎洋一郎が俺たちの単行本を出すという。
俺たちの名前を冠してはいるが、山崎洋一郎の青春総決算なのだと思った。一生青春男山崎洋一郎35歳。類い稀なるなるインタビュアーで音楽の聴き巧者山崎洋一郎二児の父。
彼と俺との対談を中心とした単行本「風に吹かれて」。
二十代の男性のもつ青臭い、しかし真剣な、まるで大学生のサ店論議のような言葉の数々・・・。あなたは楽しんでいただけましたか?
過ぎ去った日々は戻らない。明日に向かって走る。それだけだ。
八月二十一日 自宅にて 宮本浩次


山崎洋一郎さんは2010年、宮本浩次「男の3万字インタヴュー」冒頭でこう書く。

レコード会社からの解雇、事務所の解散、そして突然の大ブレイク、幾度かのレコード会社の移籍・・・いろいろな事があった。
だが、今もエレファントカシマシは武道館の観客席を満杯にし、フェスのメインステージに立ち、またも傑作を作り、こうして本誌の表紙を飾ってくれる。
そして、次の10年に向かって彼らは進んでいこうとしている。
この20年間、東京を転々としながら暮らしてきた宮本浩次の足跡をインタヴューで追い、新作について語り合い、今澄んでいる部屋や隅田川で僕自身が撮った写真を綴る、という形で。
われらがエレファントカシマシの過去・現在、そして未来の大特集をお届けしようと思う。
(ロッキング・オン・ジャパン 2010年12月号 46ページ)

なぜ、相当な地位にあるであろう大の男二人が自らカメラを持ち、ペンを取り、まるで何かに取り憑かれたかのようにエレカシ宮本浩次を追いかけ続けるのか、分からない。


けれど、出会ってから25年経って、三人とも元気で、雑誌は続き、そして何より未だにエレファントカシマシが熱い音楽を放ち、光に向かい歩き続け、二人が本気で感動する。
音楽で出会った人間関係において、こんなに幸せなことがあるんだろうか? そしてそれ以上にこの三人の関係性を説明する言葉があるだろうか? 僕はそう思う。