エレカシブログ 俺の道

ロックバンド・エレファントカシマシ、宮本浩次ファンブログ

エレカシとネットは意外と親和性があるかもしれない

前回記事『ボスは「大将」、ETCは「関所」と呼ぶとしよう』の続編です。


僕の周りの非エレカシファンの人からはよく「エレファントカシマシのライブは敷居が高い」と言われるんです。
チケットもかなり強気な価格で(渋谷公会堂の6300円というのはかなり高いと思います)。
それに何よりエレカシのライブは怖い(笑)、宮本が何をしでかすか、何をやってくれるか読めないところがある、というイメージが未だに強い。
もちろん裏を返せばそれがエレカシライブの魅力で、車のギアを即時にチェンジするかの如くローからハイへ、また激烈な曲から
センチメンタルな曲へと瞬時に移り変わるのは、エレカシライブの醍醐味の一つなのだと思うのですが、当然これらはまず
ライブに来てもらわないと味わう、体感することが出来ない「生ならではの緊迫感」なんだと思います。


考えると、例えば「悲しみの果て」「今宵の月のように」「俺たちの明日」とかが聞きたい、でもそれをライブでやってくれるかと聞かれても
「必ずやる曲」なんてのは全く決まってないので、(それでも「悲しみの果て」は確率が高いけれど)なんとも答えようがない。


良い意味でその場の雰囲気だったり、それこそ宮本の想いだったりが瞬時にセットリストに反映されるので、それらは読みようが無い。
そして未だにある「何をやらかすかわからない宮本」「頭かきむしって何言ってるんだか分からない宮本」のイメージがあると
「興味はあるけれど、ライブに行くには敷居が高いエレファントカシマシ」というイメージが出来上がるんじゃ無いかと思います。
例えば新曲聞いて印象良くて、ぐらいだと上記のような理由で、なかなかワンマンライブまでは足を運んではくれない。
かと言ってライブDVDなんかはレンタルでは中々置いてない。周りにエレカシファンでも居ない限りライブの様子を見るのは難しい。


その良くも悪くもエレカシの唯我独尊・孤高的なイメージを取っ払う鍵がネットにあるんじゃないかと思うんです。



例えば「宮本はライブでも頭かきむしって訳分かんないこと言って笑わかすんじゃないか」てなイメージだけを持ってる人が
上のツアーラストのJCBホールのダイジェストを見れば、相当イメージは変わるんじゃないでしょうか。
こういう宮本の「全身全霊ロック歌手」っぷりはいくら言葉を使って百万言費やして説明するより、上のような動画を見るに限ると思います。


また30年ぐらいあるエレカシのライブやテレビ出演の歴史は今も(アップロード自体違法なんですが)YouTubeに沢山上げられていて
見る気になればもう相当にネットで振り返られる。それこそエピックの荒ぶる宮本から現在の45歳宮本まで、ガーッと見られる。

bridge vol.65
宮本「でも今すごいですね。YouTubeとかっていうのがもう、誰でも手軽に観られるみたいで。そうすっと昔の
"おはよう こんにちは"の映像とかが、上がってたりするんですよね。あとやっぱ、あの、やってるところとかが」
渋谷さん「ライブで暴れてるところね(笑)」
宮本「ところとかが、観られるわけですよ。で、新しく、ここ10年ぐらいでファンになってくれた人とかは
やっぱり信じられないみたいですね」
渋谷さん「はははは。『これほんと宮本か!?この暴れてる人が!?』みたいな」。

YouTubeだと逆に結構トリッキーな映像の方が再生回数が多いと思うんですが(笑)、でもそれに変に引かなければ
上のJCBホールの映像じゃないですけど、真っ当なロックバンドのエレファントカシマシの姿も垣間見えるんじゃないかと思います。


もう何度も書いてますが、この「悪魔のささやきツアー」のYouTubeでのダイジェスト公開、そして仙台RensaのUstream中継は
エレカシ史に残る画期的なデジタルファンサービスだと思います。
即座にマネタイズにはならないかもしれませんが、今後に繋がるめちゃくちゃに意義のあるネットサービスだと思います。


前の記事通り宮本はドラクエのボスを「大将」と呼んじゃうようなアナログ古風人間ですが、アウトプットはアナログだろうが構うことはない。
もう今まで通りアナログに純粋に誠実にロック歌手として自分の仕事に専念してくれれば、あとは上のようにちゃんと素晴らしく
デジタル化してくれる周りのスタッフの方が居るので、ありのままの音楽活動をしてくれれば、そこはもう四人とオーディエンスの勝負。


もしエレカシが「ライブに行くまでに敷居が高いバンド」で、「でも一度行けばハイレベルなロックバンドであることが分かる」のであるならば
現在のこの状況というのは、現代においては希有なるアナログ男・宮本浩次と、デジタル最前線の制作・A&Rスタッフがバックヤードに居て
一見混沌としているかもしれませんが、でも内実アナログとデジタルの良さががっぷり四つに融合されてて、極めていい状態だと思います。


来年も素晴らしいライブ活動と、デジタルで見やすく、でも一度でも観てみるとその情熱がこちらまで伝わってくるようなA&R活動を期待しています。