エレカシブログ 俺の道

ロックバンド・エレファントカシマシ、宮本浩次ファンブログ

「最高の幕開け」エレファントカシマシ新春武道館2011

昨日に引き続き月が綺麗でしたね。
天気のいい冬の日は空気も澄んで、引き締まって感じます。



五時の開場過ぎに到着。席は二階席南スタンド。発券したときは「席悪っ」と思ったんですが
皆さんごめんなさい、ステージを真正面に見ることが出来るなかなかいい席でした。
ある種アリーナよりも見えるというか、全体を見渡せました。


緊張の中、座って待つ。フライヤーも貰わなかった。
すると前列の方がフライヤーを熱心に見ている。
ん、ツアーやるのか!嬉しいなあ。ラストはどこだろう。
「TOKYO DOME」・・・、え?マジですか、大丈夫か?と一瞬血の気が引く。
その後にCITY HALLとつく。何のことはないJCBホールだった。本気でドキッとしてしまった。
東京ドームのステージに立つ四人の姿を想像してしまいましたとさ。


しかし余談ですが、僕も含めてiPhoneみんな持ってますね。
呆然と前を見てたら三台くらいiPhoneが光っていた。かなりの確率。


今日使用されるカメラは6〜8台くらいか、「桜の花舞い上がる武道館」と同じパターンで
ステージ両脇にスクリーンがある。
カメラは録画もしてるんだろうけど、スクリーン用のモニタリングが中心か。
このぐらいだと単独での映像化はないだろうなあ、といつものようにそんなことを考える。


そんな光景を見ながら18:10ごろ開演。
会場にストリングスにピアノが流れる。ステージは青色に。
何か素晴らしいお芝居の開演のようだ。こういう演出はエレカシでは(少なくとも僕が見るのは)
初めて、一昨年の武道館が無骨に見えるくらい華やかで、カッコよくて、クールなスタート。
何か売れてる流行りのロックバンドのライブを見に来たような印象を受けました(笑)


M1 奴隷天国
トミのイントロのドラムが始まる。ステージは暗いけれど赤シャツの石君が走っていくのが見えた。
石君のギターも加わる。そして宮本「ドゥワー!」でステージが光る。
メンバーはエレファントカシマシ四人にヒラマミキオさん、久々の蔦谷好位置さん。
ステージの後ろの幕が上がり、金原千恵子ストリングチーム14人も登場。
何という豪華な、洒落た武道館なのだろう。
そして奴隷天国にストリングスという日本酒にワインを混ぜたような取り合わせ。
乱暴だけれど、丁寧に作られた(リハされた)感があって不自然には全然聞こえず
むしろ格好いい。こういう奴隷天国もあったのか、という境地。


M2 今はここが真ん中さ
観客席でのいい意味での混乱は続きながらもライブは進行。
イントロで宮本が「もう一回!」これはよくやりますね。
「お正月はどうでしたか?」と観客へ。
ここでストリングスの幕は一旦下がる。


M3 脱コミュニケーション
イントロ部分の宮本のギターのエコーが絶妙に良かった(細かい)。
ステージは「真っ赤」に統一される。
今のところ宮本の声は低音、中音ともによく出てて響いている印象。


終わった後に宮本「今日はいろんな曲を用意してきたぜ!」
「上がったり下がったりですけれども」
「こんなことを思って作った曲です」。
M4 moonlight magic
宮本のギターは軽快に流れ、ステージはバニラ色というか月色に染まる。
それを見て、昨日と今日の月を思い出した。どちらも素晴らしい、ステージも素晴らしい色。


この曲終わりでストリングスの幕がまた上がったと思います。
「旅に出ようか」と宮本。
M5 旅
ストリングスチームが加わった「旅」は文句なく格好いい。
また今日全体にいえることなんですが、光の演出が豪華でクール。
二階席から見ると全体が見渡せるんですが、今日の演出・照明チームの皆様には
大拍手を送りたいぐらいです。


M6 九月の雨
この曲は蔦谷さん参加Verを初めて聞いたんですが、ピアノが凄く効果的になってます。
宮本の終わり方も「雨上がり」のような、静かだけれど心地よい終わり方。絶妙。


M7 翳りゆく部屋
「僕はカバーとか殆どしないんですけど、リハではたまに歌ったりして・・・」
いつものようなこの曲を説明した後
「OK、蔦谷」久々にこのセリフを聞いた。
やっぱりピアノとのセッションだと映えますね。
また宮本の動きが良くて、全身でこの歌を表現してました。一言で言うとしなやか。


M8 歩く男
「歩こうぜ!」を連呼。心の中では「よーし、歩く男来たか!」
なんてたって歩く男Tシャツも売ってますからね(笑)、やってくれてよかった。
イントロは初耳パターン、簡単に言うと「奇抜」。歩こうぜが無かったらこの曲と分からなかった。
ステージはオレンジ色の照明に染まる。そして蔦谷さんのコーラスが入る。
これを見ていると野音の「あの頃」を思い出す。
宮本、途中で「目が剥き出し」になる。歌に入りきって本気になってる瞬間って
よく目が剥き出しになって白目が目立つことがあるじゃないですか?
あれを見ると、ああ、ガチで(まあいつだってガチでしょうが)歌ってるんだな、と感じる。
「歩こうぜ!」を連呼するので、まるで「星の降るような夜に」状態(笑)。


M9 珍奇男
ステージは例によって真っ赤に。宮本はもちろんパイプ椅子。
途中で「高緑、前に行け〜!」成ちゃんもそれに答えて前に出る。
曲終わりでしょうか、宮本「成ちゃんはこのためにおニューのベースにしてきました」会場笑。


「心と重ねて、まあ行くぜってな曲です」
M10 赤き空よ
これも見事にステージが「赤き空よ」になってました。
二階席なのでスクリーンに映っている映像も結構頼りにしていたのですが
ドラムを撮影するトミカメラはカメラマンが居るのではなく、どうやらオートカメラ
(三脚にカメラだけ置いて、遠隔で動きを操作する)のようだと今更気がつく。
このパターンだと単独映像化はないかもなあ、とぼんやり考える。
(そのままDVDになるようなライブはちゃんとカメラマンさんがつく)。


M11 夜の道
宮本の単純だけれど感情がこもった口笛が響き渡っていた。
ステージとは遠く離れているけれど、まるですぐ近くで歌っているよな感覚。


この後、僕は見てなかったのですが、色んな方からの話を総合すると以下の通り。
宮本、石君に何かささやく。そして石君がまさかの
ライブハウス武道館へようこそ」会場笑。
その笑いがしばらくやまずクスクス状態。困った(?)宮本が石君に向かって
「そんなこと言って本気にされたらどうするんだ」、いやそれ先生マッチポンプですから。


「こないだ自分で聞いたら良くて自分で感動しちゃって」
M12 赤い薔薇
今日は全体的に歌詞間違いが殆どなかったのですが、これは一番が少し間違っていました。
高音部分の「赤い薔薇」のところが少し出にくいか。


M13 幸せよ、この指にとまれ
なんというか最近とみに思うのですが、この曲が流れると会場全体が「幸せムード」になりますね。
今日もまさにそんな感じでした。
またこの曲でエレファントカシマシエス全体六人に照明が当たっていたのですが
二階席から見るとそれがまあ綺麗で、華やいでました。
「新しくて」の高音部分がまたキツそう。
今日の宮本の声の印象としては、低音と中音は普通に迫力があるけれど、高音部分が
ちょっとキツいかな、という感じでした。


「大事な歌なんです」と宮本。
M14 ハナウタ〜遠い昔からの物語〜
このイントロと宮本の声を聞いて、一昨年の武道館を思い出す。
あの頃はCMで流れ出したけれど、ライブではやってなくて武道館で初披露。
こんな華やかでハッピーでキャッチーな曲が出来るんだ、と素直に感動したことを思い出す。
それでさらに「生きている幸せ」みたいなことを感じてしまった。
あの武道館から一年半くらいですか、まあいろんなミスを犯しながらも何とか僕も生きている。
宮本も生きている、メンバーも生きている。そうして武道館でまた会えて、またこの
ハナウタを聞ける喜びみたいなのを胸の中で感じてしまいました。歳かなあ。


そんなことを思いながら聞くと、もちろん一昨年のような初聞きの新鮮さというのはないんですが
しみじみと、しっくりと聞くことが出来ました。いい演奏といい歌声でした。


メンバー紹介。
蔦谷好位置!帰って来た」この一言にジンと来てしまった。
「成ちゃんがいると安心感が出ますね」
「パワフルドラマー、トミ!」
「石君、合宿で一緒にお風呂入りました」会場笑。僕は心の中で大爆笑。このネタ好きなんです(笑)。
「ミッキー、最高のギターを弾いてくれています」
「そして宮本です」、会場からは総合司会との声、僕は今日は全く声援あげず。


スタッフの方がガヤガヤと配置換え、どこかで見た光景だぞ。
「ここでスペシャルゲストをお呼びしましょう」
金原千恵子さんと笠原あやのさんです」と宮本、ちゃんと笠原さんの名前覚えてた!
(一昨年の武道館では笠原さんの名前を忘れていた)。
「美女二人!」
いきなりなんですけど、僕は金原さんはステージの姿より、多少オフの姿の方が
可愛いと思うんですよ。「桜の花舞い上がる武道館」のプロローグで宮本と打ち合わせをしている
眼鏡姿の金原さんの方が可愛いと思うんです。って誰も聞いてないですね、はい。


えーと話はその二人だ・・・。
金原さんと笠原さんが前に出る間にちょっと間があったんですかね。
宮本が石君に向かって「次回からオマエ総合司会」、会場笑。
いつだったか忘れましたが「初めて女性目線で作って・・・」とか言ってた気もします。


M15 彼女は買い物の帰り道
もうイントロだけでヤバいんですよ、かっこよくて可愛くて。
「でも私は」の高音部分が厳しかった模様。
「毎日、毎日」あたりのストリングスが滅茶苦茶キレてて、鳥肌ものでした。
前の予測記事で「生ストリングスでカノカイを」とか書いたんですが
それが実現してしまってもう感動どころかうっとりレベルですよ。


演奏終わりに宮本「金原さん・・・その他の、いや・・・(笑)」
「その他なんて言っちゃいけない、皆さん凄い人達なんです」
「これで全員の名前が言えたら格好いいんですけどね」確かに。
でも14人居ますし、そこでカンペ出しちゃったらエレカシじゃあないですよ。


M16 ネヴァーエンディングストーリー
この流れは予想出来たはずなのに想像出来なかった。
もうひたすらにロックとストリングスの素晴らしい融合でした。文句なし。
カノカイ→ネヴァーエンディングストーリーなんて僕としては涙ものの流れ。
細かいところですがこの曲ではカメラワークが良かったです。
ちゃんとそこを抜いてその流れに持って行くか!みたいな。


M17 シャララ
ストリングスチームが入ったらこれもやりたいですよねえ。
また泥臭いギターとピアノとストリングスが化学変化を起こしてて、それが作品として成立していて
ステージみなさんのプロ意識が窺えました。緊張感と高揚感が伝わってきます。
それとまたカメラの話ですが、宮本の口元をアップで写していてやたらセクシーでした(笑)。


M18 明日への記憶
これはもう上品さが際立ってました。
二階席からステージとストリングスをまとめてみると(また幕が赤色で)豪華。
「ステージの絵」としてもバシッと合ってました。
このままジャケ写か何かに使えるんじゃないか?ぐらいのレベルに感じました。
そして宮本の声がよく伸びる。
昔、僕はこの曲をあんまり評価してませんでしたが、改めて武道館で聞き直すと
「ああ、こういう世界観も全然ありかもしれないな、新境地なのかもしれない」と
思い直すという「バカモノ青年」っぷりです。
そして最後、ストリングスと合ったアウトロが素晴らしかった。
最初から最後まで上品で豪華で、「古い美術館に眠る大切な宝物」と何故だか
「あなたのやさしさを〜」のフレーズが頭に浮かんでしまった。そんなイメージです。


M19 笑顔の未来へ
宮本のイントロギターを聞いた瞬間で、僕は他の人に聞こえないように拍手してしまった。
この舞台で、ストリングス付きで、最近やたら聞いている「笑顔の未来へ」をやってくれたことが
素直に、そして深く深く嬉しかった。
作品が出来るまでの過程もあってか、やっぱりこの曲は蔦谷さんとのコンビが断然合う。
ライトもまたいい味出していて、会場全体の「笑顔」をよく見ることが出来ました。
これは今日の僕の中での個人的ベストアクト!と確信した瞬間です。
もう僕のボキャブラリーじゃ表現出来ないほどの良さでした、ホントに。


M20 いつか見た夢を
出だしの宮本の「いつか見た夢を 正夢にしよう」のド迫力っぷりに驚く。
声が出すぎてて(もちろんいい意味で)これは良かった。
相変わらずあんまり歌詞は好きになれないけれど・・・。
「風に聞け 空に聞け」の部分のストリングスが絶妙すぎてブルブルッと震えてしまった。


曲終わりに宮本
「イェーイ、エブリバディ!」
そしてこちらの方を指差しながら「さっき一番後ろの方まで行ってきたんですよ
後ろの人見えるか?意外と見えるんですよね」
おそらく二階席の一番後ろからどんな感じなのかチェックしてたんでしょうね。
大丈夫、武道館って意外とギュギュと詰まってるから見えるぜ宮本!


そしてこの後も簡単なメンバー紹介。


M21 桜の花、舞い上がる道を
冬なのでやらないと勝手に思ってました(笑)。
ステージはもちろんピンク色のライト。
ここのストリングスは非常に引き締まってて、曲を盛り立ててました。
武道館でこの曲を聴くとまた一昨年を思い出してしんみり来てしまう。


終わって「サンキュー」と退場?と思いきや、ステージが暗転しメンバーの動きが見えない。
周りの人は退場したと思ってトイレ休憩に立つ人も出てくる。
が、しかしよく聞くと「チュン、チュン、チュン」と小鳥のさえずりが聞こえる。
これはもしや「朝」→「悪魔メフィスト」の流れではないか・・・。
みたいなことを同伴者に伝える。
これは「朝」もセットリストに加えます、個人的判断ですがそれだけの価値はある!
M22 朝
アングラな音楽が流れて、ステージ両脇のスクリーンには輝く太陽に月が重なって
いわゆる「ダイヤモンドリング」が出てくる。
エレカシのステージでこういうCG的な演出を見ることが出来るとは!
そしていよいよ、待ちに待った、待ちくたびれたぜ宮本!
M23 悪魔メフィスト
これはもう文字では表現出来ない歌い方。
「この野郎!」ってな殴りかかったような歌い方にも聞こえるし、敢えて音程とリズムを
外したよな歌い方にも聞こえる。とにかくはちゃめちゃ。
でもかすかに見える宮本は神がかっている。
世の暗黒の部分から日向の部分を一気に一曲で表現してしまった。
その宮本ばっかり見ていて気がつかなかったんですが、蔦谷さんはコーラスしてなかったですよね?


もう「ちゃぶ台をひっくり返した」(C)山崎洋一郎さん、状態で終了、メンバー退場。


メンバー登場、宮本黒シャツ、ストリングスチーム準備完了。
EN1 平成理想主義
正直これは予想外でした。この曲来るか?みたいな感じですが
でも(これも意外なんですが)ストリングスチームとよく合う。
ただし高音部分は相変わらず宮本キツそうでした。
タンバリンを叩きながら右に左に動く宮本。
曲終わりに「お正月行け!2011年は行け!」とアジる宮本。


ストリングスチームの出番は終わったようで、一旦幕が閉まったんですが
途中で宮本が「もう一回開きますか?」そしたら見事に開く。
金原千恵子ストリングスチームの皆さんでした!サンキュー!」てな事を。
いやでも今日のストリングスチームなしでは「カノカイ」「笑顔の未来へ」
「ネヴァーエンディングストーリー」あたりはこんなに光らなかったと思います。
金原千恵子ストリングスチームの皆様には改めて大感謝。


宮本「40歳ぐらいに作った曲なんですが、聞いて下さい」
ここで僕は同伴者に気軽に「シグナルなら嬉しいね」と言ってみたのですが
イントロ聞いたら本当にシグナルで「うわっ」と思ってしまった。
EN2 シグナル
もうひたすら聞き入ってしまいました。
4年前くらいの、バンドとしては素晴らしい領域に達していたけれど
あんまりセールスとしては伸びなくて、でもライブでは結構やってくれて
温かい波動が伝わってきて嬉しい。こんな広い武道館でもちゃんと伝わってくる。
またこういうこと宮本に言うと怒られそうなんですが(笑)、歌詞がパーフェクトだった。
この曲は宮本歌詞間違えまくるんですよ、でも最近安定してきて、ついに今日はパーフェクト。
シグナルは歌詞をしっとりと歌いあげる所に魅力を感じるので、さらによかった。
「笑顔の未来へ」と並ぶ個人的ベストアクトでした。本当に聞けて良かった。


宮本、次何やろうか迷っている様子。
「ソーメニーはZeppツアーで散々やったしなあ」みたいなことを言っている。
「武道館なのでZeppとは手法を変えようとしてるんですよ」


「10年くらい前、契約が切れたときに。
 まあまた切られるかもしれないけれど(会場笑)、人間ですからね
 これからの季節にいいんじゃないかと」的なことを宮本。
同伴者は「今宵?」と言ってましたが、「四月の風じゃないかな」と答える。
EN3 四月の風
これはまた演出が良くて、本当にいいお芝居を観ているようでした。
「少し乾いた街の風が」を「少し乾いた東京の風が」と替え歌。
けれどその後の歌詞のタイミングがずれて「ララララ・・・」状態に。
今日は全般的に歌詞間違いが少なかったのでちょっと残念。


「お正月なんでそれっぽい曲を」みたいなことを宮本。
僕は勝手に「化ケモノ青年」を期待。
もしライブハウスで前の方に居たら「化ケモノ青年!」と言ってたでしょう。
そして宮本に無視される展開だったと思います(笑)。
でも今日は本当に良質のお芝居を観てるような展開と演出だったので、僕は全く
歓声は出さずに居ました。ずっと真剣にステージを見つめていました。


EN4 俺たちの明日
やっぱりこれは盛り上がりますね。「笑顔の未来へ」や「幸せよ、この指にとまれ」とは
また違った意味で「力強くテンションが上がる」曲です。
会場全体がウコンの力を飲んだような(笑)、単純に元気が出たテンションでした。
宮本が途中で会場に向かって手拍子「パン、パパン」これは文字では表現しにくい・・・。
もちろん会場もこれに合わせて「パン、パパン」と手拍子で答える。
ラストは宮本「2011年レッツゴー!!」


EN5 ガストロンジャー
もう完全に狂気じみた宮本が出てきました。
これも俺たちの明日の「元気が出るテンション」ではなく「怒りのテンション」が出てくる。
こうして見るとエレカシのライブというのは喜怒哀楽が素直に出てくる。
例えば「喜」が幸せよ、この指とまれだとしたら、「怒」はガストロンジャー
「哀」が珍奇男ならば、「楽」はハナウタや笑顔の未来へでしょうか。
一日でこれほど喜怒哀楽を表現して、オーディエンスを魅了するバンドというのも
そうそうないのではないでしょうか。
この喜怒哀楽は人間ならば当然出てくるんでしょうが、宮本はそれを良くも悪くも
素直にアウトプットする。それはなかなか世間には響かないんでしょうが
ハマる時はガチッと嵌って、それがファンにとっては心地いい。
エレカシの世界どうだ!」みたいな。
それがずっと続いているからやめられないんでしょうねえ。


ガストロンジャーの話でしたよね。終わった後に宮本が「お互い体力勝負だ!」
EN6 ファイティングマン
「石君、がに股走法行け!」個人的にはツボだったんですが、会場全体が
もうハイテンションだったので、特に笑いも起こらず。
宮本右に左に動き回る。
そしてメンバー退場シーンではこっちが心配になるほどフラフラだった。


微妙な間、登場するのかしないのか、頼むから客電つかないでくれ・・・。
多くの人がそう思っていたと思う。
大歓声の中メンバー登場、宮本も白シャツで登場。
EN7 待つ男
これはもう宮本もラストと決めていたんでしょう、最後の気力を振り絞って
神がかりな動きを見せてくれました。まだそんな体力あったんかい、みたいな。
エピック時代よりも年老いているけれど、その分明らかに円熟味は増している。
これで44歳なのだから、この先どうなるのか(もちろんいい意味で)想像がつかない。


「サンキュー!また会おう!さよなら」
「いい一年がやってくるぜ!」と宮本、メンバー退場、ライブ終了。


「一年の幕開け」という意味では非常にいいライブだったんじゃないでしょうか。
最初のメンバー登場の演出も凄かったですし(これはエレカシ史上に残る演出だと思います)
金原千恵子ストリングスチームもキレまくってました。
特に「彼女は買い物の帰り道」これを生演奏でやってくれたのにはひたすら感謝。
「明日への記憶」「笑顔の未来へ」もストリングスで何倍にも映えて聞こえました。


宮本自身のパフォーマンスについては、高音が出にくかった以外はいい出来だと思います。
歌詞間違えも少なかったですし、シグナルは本当によく出来ていました。
悪魔メフィストはもう本当に言葉では表現出来ません(笑)。
「な、なんだこれは・・・」と思っているうちに終わってしまったというのが
正直なところです。ちゃぶ台ひっくり返しすぎです。



久々の蔦谷好位置さんの登場も大きかった。
上記の「カノカイ」「笑顔の未来へ」等々もそうだったんですが、やはり宮本と息が合っていて
お互いに補佐して、一プラス一が5にも10にもなっているような印象を受けました。
宮本やメンバーが蔦谷さんに頼りすぎてはいけないということでZeppは不参加で
春ツアーもどうなるかわかりませんが、ここぞという場面ではやはり居てくれると
エレファントカシマシがより輝くと僕は思います。


個人的には蔦谷さんはお正月にお父様を亡くして、僕ならどうだっただろうか・・・と
考えてしまった。肉親を亡くしながらリハに参加しライブでもパフォーマンスを発揮しというのは
やっぱりプロ意識が強い「プロフェッショナル」だと思います。
蔦谷さんみたいな立派な大人にならなければ、としみじみ思いました。



それで、話はちょっと戻りますが、エレカシは4月から全国ツアーが始まるそうです。
これが久々に日本を網羅するような勢いで、結構小都市も廻るようなので
Zeppツアーとはまた違った、地域地域での特色が出るツアーだと思います。


僕は参戦予定は全く未定です。出来るだけ行きたいんですが都合を見てという
感じになりそうです。東北なんかはガンガン行ってレポート書きたいんですが。



今日の武道館はそれらの序曲としては最高の幕開けだったと思います。
素敵な演出(これは他会場では再現は難しいでしょうが)
標準以上は出ている宮本の声、ライブでさらに映える新曲群
気合いの入ったメンバーといい状態でツアーに突入しそうです。


それで(気は早いですが)野音のスケジュールとかも内々では決まってるんでしょうね。
フェスはどれだけ出るのか、野音はいつか、新曲は、アルバムはとファンは先走って
色々期待してしまいますが、44歳のおじさん四人組には休むときは休んで
走るときは走って今年もドーンと行って欲しいと思いました。


私事ですが、年末年始に個人的に色々とあって滅入ってたのですが、今日のパフォーマンスを見ると
理屈は抜きで「ああ、俺も生きている限りドーンと頑張らないといけないな」と
思ってしまいました。また素敵なエレファントカシマシのステージを見るために
俺もまた出かけよう、あいつらがいるから。明日もまた出かけよう。何度でも出かけよう。



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開場外での花の数々。ライトもいい感じで照らしていました。