「俺の道」というアルバムは「劇薬」だ、的なことは何回も書いてますが
同時にとんでもない十字架を背負ったというか、ある種宮本浩次にとって
一生の命題・公約となっている部分があるんじゃないかと思うのです。
簡単に拾っていくだけでも、「ハロー人生!!」においては
『オレ這いつくばって この脳髄の隅々に知恵を詰め込め』
「季節はずれの男」
『「俺は勝つ」真面目な顔で俺は言う
「俺は勝つ」俺の口癖さ』
『努力を忘れた男の涙は汚い
言い訳するなよ 己を愛せよ 鳥が飛ぶように俺よ歩け
ライバルでなき 友よさらば』
「勉強オレ」
『ああ死ぬまでの宿題だ 物欲と同等以上の勝利の証を今すぐ探せ』
特筆すべきは「ラスト・ゲーム」、「ロック屋(五月雨東京)」だろう。
「ラスト・ゲーム」
『言い訳じゃなく 誤魔化しでもないラスト・ゲーム 勝負したいよ
つべこべ言うな!いわば毎日がラスト・ゲーム 勝負しなよ
俺は歌手 ならば歌えよ ラスト・ゲーム 勝負しなよ』
『そう俺は芸術家昔の永井荷風のように日々を歌え 何はなくとも』
『言い訳じゃない誤魔化しでもないラスト・ゲーム 勝負しなよ
リアルな日々にでもどこかしらカッコイイ勝負をしなよ』
『大袈裟でなく 豊かな風土よ日本 俺の祖国よ
でも戦わずして骨抜きじゃない俺は勝負しなよ
目の前に怠惰にじゃれている俺 格好悪い
そう努力をしなよ今以上 いわば毎日がラスト・ゲーム
そのうち死んでしまうよ
そう俺はロック歌手歌えよ 言わば毎日がラスト・ゲーム
声がまだ出るうちに』
「覚醒(オマエに言った)」
『三十七になり。俺の青春は終わったけれど
明日も明後日も俺はやってゆくから』
「ロック屋(五月雨東京)」
『布張りの椅子にもたれつつ うかれ気分で考えた
「人生においては何をやったって構わないが
俺のココロと相談して嫌だなと思ったら立ち向かえ」
この明快な結論を頭で得たから・・・』
『オノレの道を行け・・・
オレはロック屋(川の中の岩となれ!!)
オレはロック歌手』
『人生においちゃ何やったって構わないが
俺のココロと相談して嫌だなと思ったら立ち向かえ』
「心の生贄」
『俺は強く求める 俺は今以上の俺を
俺は青空浴びて 俺は街の空気吸い込む
あるべきでない場所に俺潜り込んで 追い立てられたカラス
よろしくの体たらく さらば俺に帰ろう』
『愛すればこそ 俺は強く求めよう
今以上の俺を ただあるべき場所へ帰る さらば俺に帰ろう』
もう「その言や良し!」である。
この「原点回帰宣言アルバム」によって宮本はエレカシという
音楽シーンに唯一無二の存在の確立を宣言した一方
己に対しても大きな「公約」を掲げたのである。
ただの「ロック歌手宣言」では飽き足らない、もはや
一生追い続けなければならないほどの大きな「宮本浩次像」。
しかし、しかし男は一度公にしたものは守り抜かなければならない
すなわち宮本浩次は一生かかってでも「俺の道」を行くしかない。
でも、宮本浩次にとってはこれらの宣言は普遍的というか
37歳(当時)生きてきて思ったことをそのテンションの高さと同時に
ある種明快、素直にそのまま歌詞にしたものとも考えられる。
今だってインタビュー等々で言葉は違えど同じようなことは言っている。
ならば実行あるのみだ。
宮本よ、願わくは、いや必ずこれらのことを一生かけて実行して欲しい。
どうせ「敗北と死に至る道が生活」なんだ。
例え負けるなら格好良く負けようぜ。例え死ぬならかっこよく死のうぜ。
宮本がずっと戦うなら、俺はずっとエレカシファンをするから。
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