エレカシブログ 俺の道

ロックバンド・エレファントカシマシ、宮本浩次ファンブログ

俺たちを奮い立たせる歌がここにはある

なんだか土曜日というのに妙に早く起きてしまいました。
ただやっぱり「春」というか、日の出が早くなってきましたね。


さて今回は僕が「劇薬アルバム」と勝手に表してる「俺の道」。
これはもう歌詞からして凄いんですよね。
「ラスト・ゲーム」では
『言い訳じゃなく誤魔化しでもないラスト・ゲーム 勝負したいよ
 つべこべ言うな! いわば毎日がラスト・ゲーム 勝負しなよ
 俺は歌手ならば歌えよラスト・ゲーム 勝負しなよ』
『そう努力をしなよ今以上 いわば毎日がラスト・ゲーム
 そのうち死んでしまうよ
 そう俺はロック歌手歌えよ いわば毎日がラスト・ゲーム
 声がまだ出るうちに』
もう今の路線からすれば驚天動地的なことを歌ってるわけです。
「毎日がラスト・ゲーム」という言葉に一時期(今もですが)
物凄い衝撃を受けて、「今日は全力を尽くしたか?」と
自問自答する毎日でした。
これが適当な人が歌ってるんだったらいいんですよ。
「また○○さん心にも思ってないことを格好つけて歌ってる」と。
ただこれが宮本浩次が歌ってるとなると、もう生き様自体が
「ラスト・ゲーム」ですから、こりゃ信じるしかねえな、と。


「ロック屋(五月雨東京)」だと
『「人生においては何をやったって構わないが
 オレの心と相談して嫌だなと思ったら立ち向かえ」』
これもひたすら凄い。これを聞いた僕は
「おーし、オレの心と相談して嫌なこととは戦っていこう」と
決意を固めては戦ってましたねえ。


「季節はずれの男」
『遠い記憶じゃ 遠い記憶じゃ 親に抱かれた男よ ひとり歩め
 年月が滲む 怠け者  季節はずれの男よ ひとり歩め
 言い訳するなよ おのれを愛せよ  鳥が飛ぶように俺よ歩け
 ライバルで無き友よ さらば』
リリース時のインタビューでは「自分のことを歌った歌」と
表現していましたが、こりゃ他人については歌えない(笑)。
たまに宮本浩次は自分ことを「怠け者」と評してるわけですが
なんというか、あなたが怠け者なら世の中みんな怠け者だよと
言いたくもなります。
哲学的ではあるけれども、平易な歌詞でもありますよね。
そりゃ昔は親に抱かれた男だけれども、大人になりゃ
それは一人で歩まないといけない。
そこでは言い訳はしちゃいけない、自分を愛して自分の力を
信じるしかない。あくまで普遍的なロックだと思います。


「覚醒(オマエに言った)」
これもまた昨年のライブで披露していましたが、37歳になり
「中年」という時期にさしかかった年齢だからこそ出来た
曲だと思います。
『タバコをふかしながら町を歩いた
 失われてく情熱をオレは歩きながら感じた
 車が過ぎて  オレを通り越してゆく タバコふかすオレを』
この部分が凄く共感出来るんです。
僕自身はタバコは一切吸わないんですが、街を歩いていると
ふと何らかの「情熱」が失われていく瞬間があるんです。
そうした時に車が僕を通りすぎて行く。その時に何というか
「喪失感」や「虚無感」を感じることがあって、瞬間的に
この曲を思い出します。
またこの部分のベースの音が何とも言えなく良いんですよね。


「心の生贄」
これは本当の「衝撃作」。
「ロック屋(五月雨東京)」が終わって、12曲目がかかった瞬間
(発売当時、シークレットトラックがあるというのは半ば
 公然の秘密状態でした)
いきなり『春の風は俺を舞台上に立たせる』、この爽やかさや
瑞々しさにしばし呆然とした記憶があります。
「俺の道」は全体的にアングラ感というか「寄らば切る」的な
とっつきにくさがあると思うのですが、この曲はそんな
雰囲気をちゃぶ台をひっくり返すごときの唐突感と爽快感。
この曲は歌詞の一フレーズを追っていくのではなく
曲全体が奏でる歌詞とメロディがなんといっても秀逸です。
(シークレットトラックなので歌詞が公開されていないのが
 残念極まりないですが)
『愛すればこそ俺は強く求めよう 今以上の俺を
 ただあるべき場所へ帰る さらば俺に帰ろう』
強いて挙げればこの部分でしょうか。『俺に帰る』というのを
何度か強調しています。
この歌詞の評価については聞き手によって様々だと思いますが
僕としてはやはりそれ以前に定着していた「音楽バラエティでの
面白キャラ」からの脱却宣言。
「俺はロック歌手である」との宣言。それに尽きると思います。


宮本浩次のアウトプットは(世間的に見れば)かなり乱暴で
「俺の道」を出したかと思えば、「STARTING OVER」なんて
作品を世に出してします。
でもとって返して考えれば「素直」の一言に尽きるんですよね。
思ったことをそのまま作品にしてしまう。
一ファンとしては正直セールスのことも考えてしまうんですが(笑)。
そういうことを半ば無視して(ただ宮本はそのへんのことは
意識的にも無意識的にもキチンと考えてると思います)
「言いたいこと、歌いたいことを世にぶっ放す姿」に
相変わらず「男気」的なものを感じてしまうんですよね。
日本の音楽界については全然門外漢なのですが、こんな歌手は
他には居ないだろうなあ、というのが正直な感想です。


さあさあ週末です、皆様にとって良い週末でありますように。