エレカシブログ 俺の道

ロックバンド・エレファントカシマシ、宮本浩次ファンブログ

エレファントカシマシ 2018年6月23日 日比谷野外大音楽堂

今日の東京は「時々小雨かも」の予報が「結構な雨」に。結果的に15時から18時くらいが一番雨の降り方が強かったように思います。あまりの雨に入場時のIDチェックが遅れに遅れ、最終盤ではIDチェック不要に。ただ予定外の天候と、IDチェック開始後(多分)初めての雨の野音だったので、しょうがなかったのかもしれません。

17時34分、宮本浩次石森敏行高緑成治冨永義之ヒラマミキオさん、細海魚さんの6人が登場。宮本は冒頭「あいにくの雨だけど、一生懸命やりますので、楽しんでいってください」と言い、今年の野音がスタート。

M1 Wake Up
まだアルバム自体そんなに聴き込めてないせいもあって、CDより若干スローテンポに聞こえました。宮本の声は迫力があるけれど、少し高音が出づらそうか。「Wake Up! ウォー!」と怒鳴るように何度も。

トミに対して手でカウントを始める。このアップテンポの曲は!
M2 Easy Go
これはやはり盛り上げる。会場全体で(カッパ状態だけれど)手や拳を突き上げての声援。アウトロが少し長めだけれど、宮本がそのアウトロを使って6人全体のリズムを整えているようにも見える。

「宴」と宮本、そして「1,2,3,4・・・」
M3 おはよう こんにちは

M4 浮き草
宮本は左手をポケットに突っ込みながらステージ上を歩き回りながら歌う。その光景はエピック時代の悪態つきながら歌っているよう。そんな光景ナマで見たことないんですけど(笑)。

「上野の山」と宮本。今日はMCはほとんどなく、曲の前にタイトルだけ言って始まるパターンが多かった。しかしその後石くんに対し「頭が変。もっとお洒落して。白けちゃうから」と辛口コメント。
M5 上野の山
しかし、イントロ部分で演奏とボーカルが噛み合わず、宮本はやり直し。この曲あたりから高音の厳しさが出始めていた。

M6 人間って何だ
ようやく、少しだけ日比谷野音も暗くなり、ステージ後方のライトオン。「ドゥォー!希望を!」と波動が伝わってくるような叫びが広がり、そして後ろを振りむきトミをガシガシと煽る宮本。

「今日のキーボードは細海魚さん。古い曲をやります。『エレファントカシマシ5』というアルバム、8000枚しか売れなかったんだけど、当たり前だよね。細身さんがせっかく手伝ってくれたのに、「意地でも変えてやる!」って変えてしまった曲です」。
M7 おれのともだち
そういう経緯もあったせいか、歌い方がすごく丁寧に感じました。特に「そうだよ萎えはてた くらしのともだち」あたりは一言一言まで丁寧に歌っている印象。そして間奏にはキレイな口笛を決め、ラストは『ともだち』の「ち」を「ちぃぃー!」と叫んで、ギターでガシッと止めてエンド。どんだけ器用なんですか先生。

男椅子登場。
M8 星の砂
このあたりからようやく雨が小康状態へ。
M9 珍奇男
終盤、宮本は観客に向かって嘲笑、あざけ笑いを始める。「珍奇男」を対象として『あははあはは』と笑いながら怒るという、これはもう見た人しかわからない光景だと思います。そして石くんと向き合ってのギター。雨が上がったせいもあったか、お客さんの盛り上がりも一気に高まってきました。しかし宮本は寒くなったのか、脱ぎ捨てていたジャケットを着だす(濡れてないのか?)。

M10 武蔵野
「神様俺を、聞いてください」と宮本。
M11 神様俺を
アルバムを初聞きの時は耳を疑った軽快な曲。そして今日も序盤から軽快な口笛が飛び出す。
その勢いは止まらず、「いつもの顔で」を最初に短く弾き、そのままスタート、
M12 いつもの顔で
M13 さよならパーティ
M14 かけだす男
M15 Destiny
M16 なぜだか、俺は祷ってゐた。
正直今日は高音が掠れていることが多く、この曲もどうなんだろう?とハラハラしていたのですが、序盤の「精一杯生きて」の部分は、今までなんだったんだろう?と思うぐらいにハッキリと高音が出ていました。また不思議なもので『遠くビルの向かうに、光る星に願いをかけよう。』部分では、ビルの向こうに月もおぼろげながら出始めたんですよ。宮本浩次の気持ちやら、お客さんの思いが通じた気がしました。

M17 ズレてる方がいい
M18 オレを生きる
アルバムの新曲群で一番聞きたかった曲なので待ち構えていました。この曲は低音から高音のレベル差が凄くて、低音部分は出ていましたが、やはり高音が引き続き出ていない。ただラストの『自らの足取りを確かめながら 流れ流れてゆく』部分はド迫力で、聴き応えがありました!

M19 RAINBOW
息をつかせぬ、もう呼吸もしちゃいけないような緊張感、迫力、リズム、とにかく圧巻。個人的には今日のベストアクトでした。

曲終わりに宮本は天を仰ぎ、「雨であれでしたけど、集中して出来た気がします。ありがとう。第一部終了なので、休憩して戻ってきます」。19時21分。

19時24分、6人再登場。
M20 今宵の月のように
今日の「宮本の声の出なかった部分」というのが、この曲のメインキーと重なったのかどうかわからないですが、もう最初から最後まで声が出ていなかった。正直エレカシのファンになって、何度もこの曲を聞いていますが、今日の出来は相当厳しかった。例えば昨年の紅白歌合戦でこの曲を聞いた人がファンになって、今日、中で聞いたり外で聞いたら落胆してしまうんではないか、そのぐらいの出来。宮本浩次が一番自覚し悔しくて、メンバーも関係者もわかっていることだと思いますが、今日の高音の出づらさは痛々しいし、ライブとしての完成度に疑問がつくレベルだったと思います。セットリストも凄く良かっただけにそこだけが残念。

M21 笑顔の未来へ

「おいっ、おいっ、おいっ、おいっ!」
M22 友達がいるのさ
『一笑 一蹴 へんしゅう 哀愁』あたりで宮本がステージに置いてあったジャケットを手に持ちながら歌う。拳を突き上げながら「来年も 再来年も その先も一緒に行こうぜ!」。

M23 シグナル
こういう好きな曲が連続で来ると感慨深くなってしまう(年取っちゃったんですね)。『どのみち俺は』でライトもキレイなスカイブルーへと。また天気がどんどん良くなって、この曲あたりでは月も顔を出していました。曲のパワーというのもあるのかもしれないですね。
「みんないい顔しているぜ!よく見えないけど」恒例の台詞のあとにメンバー紹介。
M24 悲しみの果て

宮本はギターをつま弾き、男椅子に座る。「RAINBOWから一曲、聞いてください」。
M25 歩いてゆく
当初は一人弾き語りも、途中から細身さんのキーボードが加わり二人体制(ステージにはメンバーも居る)。声が震え、宮本の仕草を見ていると泣いているようだ。これは完全に推測なのですが、この曲は宮本浩次が亡き母親を思い浮かべて作ったように感じてしまうんです。そんなことインタビューにもなんにも出てないと思うんですが、そう(勝手に推測して)聞いて、涙している宮本を見るとまたそんなことを考えてしまう。

M26 月の夜
この曲も高音部分が相当厳しい。
M27 旅立ちの朝

M28 男は行く
打って変わってのド迫力、赤というより真紅のライトが6人を包み、6人も音がビルに当たるような勢いで演奏、歌声が響く。ラストは宮本のピックが飛び、ギターを置いて「ありがとう!」そして5人全員と握手。成ちゃんは明らかに戸惑っていた(笑)。20時14分退場。

20時16分、6人再登場。
宮本がやおら「昨年デビュー30週年、凄い1年でした。エレファントカシマシにこんなにお客さんが来るとはとはみんなも思ってると思うけれど。今年もよろしく。ってもう6月だよね。(石くんに向かって)こういう時なんて言えばいいんだろう?」お客さんは大歓声。「アルバムも出して、こうなると自分にすごく体力があるんじゃないかという錯覚に陥るんだよね。凄い古い曲聞いてください」。今日一番長いMCだったと思います。
en1 星の降るような夜に
こちらはきちんと声が出ていて、また人気曲なのでお客さんもノリノリ。間奏部分で成ちゃんと石くんを前に出し、自身も前に出っぱなしだったので、前方に3人が共演する形に。

en2 ファイティングマン

ラストもラスト「サンキュー!エレファントカシマシでした」トミにリズムを取らせながら、タイミングを合わせて宮本が大ジャンプ。そしていつもの「ローリング・ストーンズのような」終わり方。昔のファンが久々にエレカシのライブを見たら、この挨拶の仕方に一番ビックリすると思います(笑)。「また会おう!エブリバディ!かっこいいぜ!」投げキッスをしながら宮本退場、20時25分。

ニューアルバムをひっさげての日比谷野音、宮本も言うように雨のおかげで結果的にお互いに演奏に集中出来た気がします。カッパ着てると良くも悪くも前しか見えないですし、お客さんもステージに集中し、メンバーも演奏に集中出来ていた感がありました。
残念だったのは、宮本浩次の高音が出ていなかったこと。「今宵の月のように」は今までになく厳しい結果でした。ただ宮本がどうこうしたという声ではなく、恐らくツアーと野音のリハのしすぎの高音の出なさだとは思いますし、ツアーになれば復活するんだとは思いますが、しかし一方でそれはツアーのチケットを買ってしまっている人の考え方。例えば今回が初のエレカシのライブで、この高音の出来を見たらツアーどころかエレカシのライブはこういう状態・出来なんだと思ってしまうかもしれません。昔は「一期一会」というのは素敵な言葉だと思っていましたが、最近は緊張感ある言葉だな、と考えるようになりました。常に全力を出してこそのプロ。ツアーでは野音の時の声をあざ笑うパフォーマンスを出してほしい。

そしてそのアルバムからの曲は軽快な曲も、いわゆるブルース的な曲も良く出来ていた感じがあります。これがツアーになって、特に聞き手も慣れてくればさらに聴き応えが出てくると思います。特に「いつもの顔で」「オレを生きる」はこれからどんどん聴きごたえ、ライブ応えが出てくる曲だと勝手に思っているので、ツアー、その先のライブで聞くのが今から非常に楽しみです。

宮本浩次、声、喉を万全にして、ステージに戻ってきてほしい、いやより良くなって戻ってくるはずです。そういう男だ。


エレファントカシマシ 2018年6月23日 日比谷野外大音楽堂 セットリスト

第一部
M1 Wake Up
M2 Easy Go
M3 おはよう こんにちは
M4 浮き草
M5 上野の山
M6 人間って何だ
M7 おれのともだち
M8 星の砂
M9 珍奇男
M10 武蔵野
M11 神様俺を
M12 いつもの顔で
M13 さよならパーティー
M14 かけだす男
M15 Destiny
M16 なぜだか、俺は祷ってゐた。
M17 ズレてる方がいい
M18 オレを生きる
M19 RAINBOW

第二部
M20 今宵の月のように
M21 笑顔の未来へ
M22 友達がいるのさ
M23 シグナル
M24 悲しみの果て
M25 歩いてゆく
M26 月の夜
M27 旅立ちの朝
M28 男は行く

en(1)1 星の降るような夜に
en(1)2 ファイティングマン

祝!「未来の生命体」を超えゆく生命体、宮本浩次、52歳!

アルバムリリース祭りからも取り残され、いつの間にか6月12日。今日の世界の注目はシンガポールに集まっていますが、赤羽が生んだロックスター宮本浩次の52歳の誕生日です!

  • 宮本浩次、「未来の生命体」を越え行く生命体説。

・・・何を言ってるのか、まあ聞いて下さい。エレファントカシマシは2002年の「DEAD OR ALIVE」で『未来の生命体』という歌を出した。これは『停滞と病経て今 自ら堕ちてゆく我が身を見る好条件』『退屈さえ飼い慣らされて』『どうやら体力も落ちていくオレ』と一歩先の自分を見据えて、それらを「未来の生命体」と定義づけているんだと捉えています。そして最後に『越えろ』でエンド。
今の52歳宮本浩次は、36歳宮本浩次が想定していた「未来の生命体」は確かに到達したんだけれど、それを既に越えているのではないだろうか。本気でそう思う。ぼんやりと「不惑」の年を間近にして、その未来を悟った。その先まではさすがの宮本浩次も見通してはいないんだろうけれど、歌い続けていたらあっという間に過ぎ去ってしまった。そして今、16年前を振り返れば、自ら定義づけた「未来の生命体」をいつの間にか(「今を歌え」風に)越えているのではないだろうか。自らが想定し、それに対して希望と絶望を両方背負った「近未来のオレ」を遙かに超えた52歳の男がここに居るのではないか。最近の獅子奮迅たる働きを見るとそう思います。

とにもかくにも世界一カッコいい(当社比)52歳、エレファントカシマシの総合司会、宮本浩次。誕生日おめでとうございます!今年もひたすらに期待しています。

www.ntv.co.jp

今回の番組テーマは「こんな私でも心が折れましたSP」。宮本は曲作りができなくなるほど大好きだった彼女にフラれてしまったときの失恋エピソードを語る。また「観客がトイレに行けない、微動だにしない、想像を絶する雰囲気のコンサートだった」と振り返るデビュー当時のライブ映像が公開されるほか、宮本が尊敬するある人物からのサプライズプレゼントも登場する。

「宮本が尊敬する人物」ってもう永井荷風とか偉大なる作家が真っ先に浮かんじゃうんですが(笑)、上記の36歳の時には、こうやってまたバラエティ番組に出ることなんて想像もしていなかったし、出る気もなかったんだろうけれど、きっかけはなんだって構わないと思います。「エレカシ宮本って面白いな」「一度歌を聴いてみるか」「・・・なんだこのロック歌手は」という流れをいつも期待しています(16年前のオレがまさにそうだった!)。

  • 去年の誕生日と異なる点。

そうだ忘れてた、去年の誕生日の時点では髪が長かったんですよね(笑)。去年秋にバサッと短くして。今はまた元に戻っているようですが(今ぐらいの長さにヒゲがちょうどいいのは俺だけでしょうか)。まあこのオッサンは基本、どうやってもカッコいいっすから。身体の芯から格好良さが溢れてるんだと思います(バカ)。


  • 「WAKE UP」は「余裕が感じられる」。

まだまだ聞き足りませんが、そんな感想がつい出てしまいます。特に『旅立ちの朝』『いつもの顔で』『オレを生きる』のラスト三曲にそれを強く感じる。ややもすると「RAINBOW」は『デビュー30周年』『47都道府県ツアー』『目指せ紅白歌合戦!』という言わば「決めなきゃならないアルバム」の後だから余計そう感じるのかもしれないです。『オレを生きる』は余裕さと老練さが同時に感じられる曲で、またラストがね。「こう格好良く落とすのか!」と思わせつつのフェードアウト。いろんな意味で余裕が感じられます。みなさんはどうですか?

news.yahoo.co.jp
今回のインタビュー群の中で一番好きな、かつ食い入るように読ませる記事。写真も素晴らしいし、何よりこのクオリティのインタビューが無料で読めるなら、そりゃ雑誌離れが進みますよ(笑)。最近のYahoo!ニュースは本当にクオリティが高い。一流雑誌の特集ページを思わせるほど。


はてさて、6月12日、世界はどんな日になるでしょうか。何はともあれ世界に平和が戻りますように。



23rd Album「Wake Up」ダイジェスト映像

[asin:B07CQ2WHJX:detail]

楽しくても何となく人生blue

タイトルは「精神暗黒街」より。

アルバム発売まで一週間を切りましたが、「季節の風物詩」や「リリースの風物詩」でもあるGROOVE LINEにも出演が決定していました。

J-WAVEGROOVE LINE」 6月5日(火) 16:30 〜 19:00 放送 宮本浩次が生ゲスト出演

先日のNHK「The Covers」については別途書きたいのですが、ナマでピストン西沢さんとニューアルバムについて語るというのは非常に楽しみ。気の合う男同士が「久しぶり!」「新曲・ニューアルバムまた出ましたね」的に個人的な話から、音楽の熱い話、メンバーの近況など好き勝手に長時間話すラジオは毎回非常に楽しみにしています。ましてや店頭発売日というのは(時間的に微妙ですが)アルバムを手に取って、聞くか聞かないかというタイミングで「作り手のナマの声」を聞けるというのはワクワクしてしまう。期待大です。

  • 「年に2,3回 制御不能な怒りに震えるよ」

上記はMr.Childrenの『HOWL』という曲のワンフレーズですが、まったくもう・・・。


もう見た瞬間、まるでマンガのリアクションのようにガックリきてしまいましたよ。・・・なんと言えばいいのか、真っ先に「矜持」という言葉が浮かんできてしまいました。「レコード会社としての矜持はないんですか?」。
元々デラックス盤は予約期間が短いんですよね。4月26日~5月7日まで。『完全受注限定版』。それで前にも記事に書いて、アンケートも設置して、正直色々な意見を頂いて、それぞれ真剣な言葉でみんな悩んだんだと思います。10日間余りの間に結論を出さなければならないと。しかし舌の根の乾かぬうちに「アンコールプレスが決定」。
悪く読むと、このアンコールプレスも想定通りなんではないかとも疑ってしまう。つまりアルバムリリース前後にはメディア露出も増えるだろうから、そこにターゲットを絞ってるのではないか。ただ今回、仮にメディア露出でファンになった人がアンコールプレスを買うか?というのもある。ユニバーサルミュージックのリリースが事実ならば(もうレコード会社の発表も信じられなくなってくる)今回申し込み分は8月中旬発送予定。大事な大事な音源聞けないじゃん!そういう人はCD買うか、配信買うかしかなくなる。また色んなパターンの人がいると思うんです。例えば上記予約期間を忘れてて、初回限定盤を予約してしまった、でもアンコールプレスがある、ならばこっちも予約する。・・・アルバムを売りたいんだかデラックス盤を売りたいんだかさっぱり分からない(もはやレコード会社としては後者なんでしょうけど)。

レコード会社は「予約期間が短く」ともリリースしていますが、ならばせめて一言「準備不足により」「ご迷惑をおかけし」ぐらいの言葉はあっても然るべくとは思うんですが、そんな意識もないんでしょう。全体的に「上から目線」を感じます。
そしてこちらも全く期待出来ないのが音楽メディアの批判精神。「(最大手)レコード会社批判なんてとんでもない」「こんな商法どのアーティストでも当たり前」ということで、どの音楽メディアも好意的に扱いこそすれ、「疑問を抱くこと」自体無いと思います。そういう姿勢だからファン意識と乖離して、音楽メディアの需要が減り、「ネットで十分」という音楽ファンが増えてる要因だと思います。極論すると自分で自分達の首を絞めてる。

レコード会社としては何の罪悪感(どうしてもこういう言葉を使ってしまう)もなく「売りたい」ということなんでしょうけど、間違いなく今のCD売れ行き不振の大きな原因は、こういう商法の繰り返し・レコード会社不信が一因としてあると思うんです。だってもう俺はユニバーサルミュージックのリリース、特にこういう関係のお知らせは信頼出来ないですもん。「どうせまた次に出るんじゃない?」的な。
悪態ついちゃうと、そのうちデビュー30周年デラックス盤も再発されるんじゃないですか?と言いたくもなってしまう。

久々にレコード会社と事務所に長いお手紙を書こうと思います。最後にそんなことをしたのは4年前、内容は(以下自主規制)だったんですけど。まあちょっと4年前のいざこざは書けないですね・・・。まだ若かった2003年〜2004年頃ののCCCD騒動の時は本当に「抗議文」ってタイトルで文章送ってましたが、さすがにそこまではやらないとは思うんですが・・・。ただ本当にガッカリと怒りが交互に渦巻いています。

それと少しだけ堅い話をすると、このようなこと、つまり1ヶ月前に「完全受注限定版」と謳っていながら、「アンコールプレス」をされたら、悩んで悩んで「キャンセル不可」のリスクを背負い、支払いをした第一弾で予約した消費者の利益が害されかねない。もっと言うと景品表示法上の優良誤認等に抵触する可能性があると思います。法律云々は出したくもないんですが、ちょっと触れかねないレベル。これを日本を代表するレコード会社がやってるんだから、音楽界のモラルハザードの根は深い。それに対して昨今の司法・行政は明らかに消費者保護の方向に向いている。俺だったらとてもとてもこんなことは出来ません。いくらなんでも、もう少し「矜持」を持って仕事をしています。

本当はこの記事はアンコールプレス云々の前に書く予定だったんですが、柄にもなく(?)宇多田ヒカルのファンでもあるんです。「同年代なのに、この考え方すげえな」的な。勿論ボーカル力とかもあるんですけど。それでiTunesのミュージックストアでシングルの配信曲を買っていたんです。そして6月27日にニューアルバム「初恋」も出るということで、予約したら「1100円也」。やけに安いなと思ったら、まあこれまでのシングル購入曲と重複してる部分は安くしますよ、と。ただこれは宇多田ヒカルだけじゃなくて、AppleiTunesでは標準仕様なのですが、そのやさしさ、表示のうまさ、消費者の利便性とかに感心していたんです。そんなことを思っていたら、デラックス盤のアンコールプレスのリリースがあったので、その落差による落ち込み、怒りもあると思うんですが。

Appleユニバーサルミュージック。どちらが長期的にお客さんに信頼されるでしょうか。もう火を見るより明らかだと思います。
短期的なスパンでの売上、利益よりも長期的な売上、信頼を獲得しましょうよ。きっといいアルバムなんだから、素直に消費者に分かりやすく売りましょうよ。つくづくそう思います。ある意味今回の件は反面教師にするしかないかなとも思います。ただその対象となっているのが、生涯をかけての大好きなアーティスト、エレファントカシマシなのが至極残念。世の中得てしてそういうものなのかもしれませんが、ただただもの悲しい。

Easy Go

Easy Go

https://itunes.apple.com/jp/album/%E5%88%9D%E6%81%8B/1386707378?i=1386707863&uo=4&at=10lrZv