エレカシブログ 俺の道

ロックバンド・エレファントカシマシ、宮本浩次ファンブログ

エレファントカシマシ「SONGS」出演

1月25日オンエア分。

 

もう本当に丁寧な構成と濃密な演奏で、ものっすごくロケ時間をかけてインタビューやゆかりの地巡りをしていそうなので、二時間ぐらいで特集して貰いたいぐらいの出来でした。

 

ナレーションはNHK守本奈実アナウンサー。

 

番組冒頭は客電つけっぱなしの渋谷公会堂「ふわふわ」から「おはよう こんにちは」の映像、そしてこの間のさいたまスーパーアリーナ(映像提供はWOWOW)、二週間前のライブがNHKで見られることがなんだか嬉しい。そしてヒット曲のPVから契約打ち切り、宮本浩次の病気のことまで一気に振り返る。

 

「はじめての僕デス」が流れ、なんと昭和51年3月の「NHK東京放送児童合唱団入団記念」の記念撮影の写真まで。10歳の宮本浩次が映っています。でもよくよく考えればNHKの合唱団なんだから、こういうライブラリは探せば沢山ありそうですよね。

 

守 宮本さんは、NHKの合唱団に所属していました。当時宮本さんが住んでいた東京、赤羽台団地。戸数は3000以上、高度成長期に東京に初めて作られた大規模団地です。宮本さん、ギターの石森さん、ドラムの冨永さんはこの団地で育ちました。

メンバー四人が赤羽台団地を訪れる。宮本のマフラーが長くてやけに格好いい。黒ずくめの服装と相まってマントのよう。

宮 ものすごいにぎやかだったのよ。こういう所ももうみんなが「わいわいわいわい」、うるさいぐらいですよね。周りが・・・、この話面白いですかね?大丈夫ですか?

(スタッフの方が「大丈夫です!」)

宮 (団地の)周りがね、工場地帯。高度経済成長でしょ。すごかったよね、音とか、「カーンカーン」って。何叩いてるんだろう、あれ「カーンカーン」って。というのが小学校ぐらいまでなってたよね。

頷くトミと石君。

守 中学生の時に、石森さんと冨永さんがバンドを結成。宮本さんを誘います。これがロックとの出会い。その後ベースの高緑さんが加入し、エレファントカシマシが出来上がります。

 舞台は赤羽の赤羽スズラン通り商店街。四人とも笑顔で歩きながら振り返る。背後にはフツーに行きつけだった純喫茶「デア」さんの看板も映っているカオスさ。

宮 なつかしいですね、ちょっと恥ずかしいですけど、なんとなくこうやって。

 守 四人がデビュー直前まで練習に通っていた場所があります。

商店街を抜けて、荒井楽器さんへ。今は「エークラスミュージック」さんとなっているようです。また現在このお店には12月20日(恐らくロケ日)の四人のサインが飾られているとのことです。

守 このスタジオで週3回の練習。RCサクセションのコピーからはじめました。

宮本は「こんなに狭かったっけかな」といいつつ、四人のそれぞれの配置や当時の状況などを語る。

守 21歳でデビュー、期待の新人として売り出され、一躍注目を集めました。しかしライブの経験も十分にないまま飛び込んでしまったプロの世界。

今日二度目の「ふわふわ」と悪態ついた「おはよう こんにちは」が流れる。やや不思議な感覚。

守 その後、何枚アルバムを出してもヒットに恵まれず、苦しい時代が続きました。そして94年、レコード会社から契約を打ち切られ、所属事務所も消滅します。

映像は一転、宮本一人でスタジオで語るシーン。このスタジオは「プロフェッショナル 仕事の流儀」とかでよく見るスタジオに見えます。いつかそちらにも出て欲しいです。レコーディングシーンとかNHKで流せるかどうか疑問ですが(笑)。

宮 焦りというか、京浜東北線に乗ったときの、最初の経験ですよね、挫折感というか。みんなから愛されて、「愛されて」って言うと、変なオヤジが「愛されて」って言うとちょっと変なんですけど。そういう信頼のもとに常に、両親、バンドのメンバー、事務所の人、ファンの人たちという中にいて、良くも悪くも勘違いしてるところもありつつ、生きてきた人が、初めて社会の、27にして初めて「社会というのは無情である」というか、そういうのはやっぱり感じますよね。自分はだって音楽やりたのに、契約切られちゃって、今までだっておだてられていたかどうか知らないけど、『すごい』というふうに思われてたのが全部無くなっちゃったから、『俺はすごかったんじゃないのか』みたいな、そういうのが京浜東北線に乗るとみんな「ワーワー」下がって、「うわー」ということですよね。

 守 メンバーが寿司の配達などアルバイトで生計を立てる中、宮本さんは一人曲作りを続けました。そんなどん底の中の日々で生まれたのが「悲しみの果て」。ライブで自分たちの歌を聴いてくれる観客が、四人にとって唯一の心の支えでした。

 映像はドキュメンタリーにも収録されている1995年の下北沢シェルター。これもNHKで見るのは少し不思議な感覚。

宮 「悲しみの果てに」と言ってライブハウスのお客さんの顔が、浮かんで「宮本ー」って、家でですよ。「悲しみの果てに」「うわー宮本-!」ってね(宮本、みんなから歓声を受けているアクション)。一人で、まあいいんだけど、そういう曲ですよ。だからお客さんの顔を浮かべたのっていい曲出来るというか、うっとりして作ったというか。嬉しかったですよ、だから「悲しみの果て」ね。

 守 エレカシはこの曲で新たなレコード会社と契約します。絶望の淵でもがいていた彼らを、復活へと導いた曲です。

 スタジオで『悲しみの果て』披露。宮本黒シャツ。メンバープラスヒラマミキオさんの五人、生演奏。

 

メンバー四人は、日比谷野外大音楽堂へ。ドキュメンタリーと同じく、客席側からの入場。

守 東京、日比谷公園の野外大音楽堂、通称「野音」。エレカシはここで、デビューの二年後から24年間、毎年欠かさずライブを行ってきました。

 1994年の野音、「奴隷天国」ではっちゃけている映像、これをNHKで見られるとは(以下略)。

ステージから客席を見渡す四人、宮本は髪の毛に白いモノがかなり目立つ。

宮 空、天然の空がありますから、例えば月が出ていたりとか、明るい所からだんだん夕暮れになって色が変わって。渾然一体、自然の中にいるんじゃないですか、都会なんだけど。そういう面白さは凄くあるんじゃないのかな。

 1997年の日比谷野音での「今宵の月のように」の冒頭部分が少しだけ流れる。

インタビュー場所は日比谷公園内の大噴水の前に。

宮 月が好きで、ビルの合間あたりに「あー月が、月だ」みたいな、あれいいっすよね。そうすると僕がいいと思うというふうに思う。人が生きてると・・・、月とか出ていると得した気分になりますよね(成ちゃんに指差し確認、頷く成ちゃん)。盛り上がりますよね。満月に近づけば近いほど盛り上がる。

 どこぞの狼ですか先生(笑)。

一転スタジオで、宮本白シャツでの「今宵の月のように」。ギターは変わらずヒラマミキオさんでの五人体勢。

 

エレカシ 活動無期限休止」の見出しが目立つ日刊スポーツが背景に。

守 2012年9月、宮本さんが左耳の急性感音難聴を患い、エレカシは活動を休止。

映像は再び野音のステージに立つ四人。

宮 ああいうときって自分を治してもらいたいという気持ちが、病院とか行くとものすごく強くなるみたいで、「先生、野音で23年コンサートをやってるんです。お願いです、あのステージで」みたいなそういうこと言うね。こう、宣伝じゃないけどさ。そういうことを言いながら、そうしたらすぐ先生、手術してくれて。

 守 音楽活動を再開できるか不安の中、宮本さんの目には、人々の営みがまぶしく映っていました。

 また一転、スタジオでの宮本一人のインタビュー。

宮 いつもほら幻みたいな所にいるから、リアリティーのあることが起きると、もう焦る焦る。普段日常ってすごいってやっぱり思いました。そういう単純な感想で本当申し訳ないんですけど。上から見ると(病室の)窓の下のところ見ると、タクシーの合間をピザの配達人がこれもんでもう(ハンドルを動かす仕草)早く届けなければいけないから、ぬって走っているの。いやぁかっこいいのなんのってそれが。電車、山手線にようやく退院して乗れるようになったときに、若い20代の女性がアンパンか何か食べてるんだよ、山手線の座席で、キラキラして見えちゃって、うわーって。キラキラしてますよね、生きてるってすげぇ。

 守 生きていることの尊さに改めて気づいた宮本さんは、復帰を目指し「あなたへ」という歌を作ります。去年9月の復活ライブ、会場は日比谷の野音、病気を克服した宮本さんが一年ぶりに姿を見せました。23年間立ち続けたステージに、エレカシが帰ってきたのです。 

 映像は厳密には野音二日目、「平成理想主義」のイントロを宮本を除くメンバー3人と蔦谷好位置さん、ヒラマミキオさんが掻き鳴らす中、宮本浩次が登場するシーン。その後「あなたへ」の演奏シーン。

守 新曲「あなたへ」を初めて披露、再び歌で繋がる喜びを会場のファンと分かち合いました。活動休止を経て新たなスタートを切ったエレファントカシマシから、今を生きるあなたへのメッセージです。

ナレーション終わりの部分の映像は、四人が野音のステージに立ちながら、客席側をぼんやりと見つめるシーン。そしてスタジオでの「あなたへ」。宮本黒シャツ。ギターがヒラマさんではなく、西川進さん。ストリングスは金原千恵子ストリングスチーム。

守 デビューから25年、エレファントカシマシはこの四人で歩んできました。

このナレーションの時の映像が、昔を懐かしみながら赤羽の商店街を歩く47歳のおじさん4人なんですよね。素晴らしい!

宮 現役の4人の音を、いいじゃない、老けてったってある種、でも老けてというか変わっていっても4人の音を出せるようにして、みんなに喜んでもらえるというのは、なるといいという目標ですけど。

守 逆境に立ち向かい、克服してきた彼らが、共に戦う仲間に贈る応援歌です。『俺たちの明日』。

 白シャツ宮本に、サポートギターはヒラマミキオさん。黄金色に光り輝くステージで宮本が歌う。

 

すっばらしい番組というか、誰が作ったのか分かりませんけど、NHKの中の人はフツーに野音の「観客側」で熱狂してたんじゃないかと思ってしまうぐらいのまとめっぷり(笑)。

赤羽、日比谷公園、スタジオでインタビューして、『悲しみの果て』『今宵の月のように』『あなたへ』『俺たちの明日』四曲披露。CMがないNHKで、曲もちょっと短縮Verということを差し引いても、30分番組でよくここまで綺麗に整理整頓して詰め込んだなあ!と一人で感激してしまいました。

また演奏シーンも『あなたへ』一曲だけのために金原千恵子さんのストリングスチームが演奏したりして、とにかく豪華絢爛。

冒頭で「2時間番組でいけるかも」とか書いてしまいましたが、30分番組でこれだけ整理整頓して、宮本はじめメンバーインタビュー、赤羽・日比谷公園でのロケという、ツボを押さえに押さえまくって、演奏も絶妙な構成。これは「花男」並のバシッとした爽快感、スッキリ感があって、逆に30分番組で視聴者の心をガシッと掴むので、これはこれでいいと思ってしまいました。「ディレクターズカット」で二時間見たいですけど(笑)。

 

1月11日はさいたまスーパーアリーナ、18日はフジテレビ「僕らの音楽」、25日は「SONGS」という『2014年新春土曜日ごとのエレカシ祭り』は一旦終わりになりますが、2013年なんてメンバーの消息すらよくわからなかったんですから、一年で復帰どころかこうやって(裏で物凄い苦労や努力は勿論あったにせよ)華やかな舞台で歌い上げて、お世辞ではなくライブに来た人やテレビの前の人たちをほぼ無条件に喜ばせてしまう47歳のおじさんのフルパワーを見た気がします。

 

30日は『ROCKIN'ON JAPAN』発売、今月末には表紙だけで豪華絢爛、思わず「ハナウタ」が聞こえてきそうなPAOが発送と、まだ「活字で楽しむさいたまスーパーアリーナ祭」は続きそうです。

 そしてこのSONGSの再放送は1月30日深夜25:30からです。

http://www.nhk.or.jp/songs/

 

 

 

 

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