エレカシブログ 俺の道

ロックバンド・エレファントカシマシ、宮本浩次ファンブログ

「シグナル」で涙を流す男

いや、毎回毎回泣くわけじゃ無いんですが、夕方から夜の駅からの帰り道で聴くと相当ジンと来るんです。時に泣いてます。


「町を見下ろす丘」全体から、冬を寂しく歩く男の情景が漂ってきて、これほど「東京の街を歩く男の喜怒哀楽」を表すアルバムはそう無いんじゃないだろうか、などと思いつつ、「シグナル」がいつ制作されたかを調べてみると意外と難しい。


2006年のエレカシの二ヶ所のライブがexciteミュージックという所で配信されて、その時に「町を見下ろす丘」のインタビューも掲載されてたんです。それ自体がもう6年〜7年前のWebサイトだから無くなったと思ってたんですが、検索したらまだありました。


ニューアルバム『町を見下ろす丘』全曲解説インタビュー インタビュアーは神谷弘一さん。
http://ent2.excite.co.jp/music/special/elekashi/int_01.html
(インタビューの模様の動画も残ってたのは正直ビックリしました)。


このインタビューは簡易版で、より詳細に語っている完全版は当時のPAOに全文掲載されているんですが、それによると「シグナル」は「町を見下ろす丘」というアルバムタイトルが決定された後に作られていると宮本は話す。じゃあいつアルバムタイトルが決まったかというと、これも当時の「JAPAN」Vol.295で語っている。
インタビュアーは言わずもがなの山崎洋一郎さん。

山崎さん「エレファントカシマシ16枚目のニューアルバム、これがすばらしいんですけども」
宮本「そうですか?」
山崎さん「アルバムタイトルが今日ギリギリになって決まって」
宮本「ええ、『町を見下ろす丘』っていうのにしたんですけど」
山崎さん「いいですね。叙情的なタイトルが出るのも、久々ですね」
宮本「ああ、そうですね。中身と合ってるっていうか、今の4人の感じと合ってるっていうか、俺の感じと合ってるっていうか。
   無理をしてないっていうか。前のアルバムのとき、あれで『風』はないだろうみたいなのもちょっとあったりして」

それで同号の編集後記(場外乱闘)を見ると、2006年2月27日にインタビューが行われたことがほぼ分かるので、「シグナル」も2月から3月にかけてレコーディングが行われたんじゃ無いかと推測出来ます。
(その後、「シグナル」はiTunes Storeで3月22日に配信限定シングルとして販売、「町を見下ろす丘」は3月29日発売)。


変に回り道してしまって調べるのに時間かかっちゃったんですが、やっぱり「シグナル」や「町を見下ろす丘」曲群も冬に作られてたのか、と思うとこの時期、真冬の風を歩きながら浴びつつ聴く「シグナル」がいつも以上に身に染みて、時に涙ぐみながら聴ける理由がちょっとだけ分かった気がします。


ここまで調べて書きながら「真夏の暑いときに曲を作ってね、汗だくだくだったな」とか宮本言ってたらどうしよう、とも思ったのですが(笑)。


そしてこのアルバムを最後に東芝EMIとは契約が切れ、ユニバーサルミュージックに移籍するんですが、やっぱり曲というのは繋がっているようで例えば移籍後の2007年9月29日のSHIBUYA-AXのライブで激シブの「シグナル」を一発目に持ってきて、そしてライブ終盤の方に当時は未発売の「桜の花、舞い上がる道を」を披露する前にこんなことを言っていたようです(自分のライブレポートなので発言録としては不完全です・・・)。


2007年9月29日 エレファントカシマシ SHIBUYA-AX
http://orenomichi.hateblo.jp/entry/20070929/1191075420

「(シグナルという曲をやったことを引き合いに出して)『輝く』『輝け』とか『花となれ』と歌った曲もあるけれど、実は俺たちは既に花のように輝いているんじゃないんだろうかと。辛きときもあるけれど、また花のように咲くんじゃないだろうか。
そういう意味での俺たちのある種の到達点のような曲が出来たので聞いて下さい」

こういうエピソードを聞く度、アルバムの中の曲同士が繋がってるのは勿論、移籍を通してもシングル同士でも曲は繋がってるんだな、とバンドとしての歴史、宮本浩次という一人の男の歴史をずっと垣間見ている感じがして凄く嬉しいんです。
宮本の言葉を借りれば「シグナル」では『花となれ』と歌った。けれども俺たちは実は花として既に咲いていて、輝いているんじゃないだろうか。
そして未発売の「桜の花、舞い上がる道を」を披露。こういう瞬間に立ち会えるってのはもう感動もので、ファンやっててよかった、と心から思う瞬間でもあります。


家系図に例えるのも変なのですが、アルバムの曲同士が横に繋がる兄弟のような関係ならば、シングルの今昔というのは縦に脈々と繋がっていく親子のような関係なのかも知れません。「シグナル」という親があって「桜の花、舞い上がる道を」という子ども(?)が出来て、それがまた歴史を経て、最新作としては「ズレてる方がいい」。そしてその家系は未来へとまだまだ繋がっていく。この光景をリアルタイムで見られるのがただただ嬉しい。



・・・自分で書いててやたら難しく考えすぎなんですけど(笑)、「シグナル」は本当に情緒溢れる寂しいけれど力強い男臭いナンバーで、この季節、歩きながら聴くと抜群に映える曲の一つなんじゃないかと思って何度も何度もリピートして聞いています。泣ける歌です。






お正月に福島のお寺のお祭りを数時間かけてずっと写真撮影してたら、恐らくこれが原因で風邪を引いてしまいました。



けれど待ち時間におみくじを引いてみたら、見事「中吉」だったので、それで大満足でした。




町を見下ろす丘
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iTunes Storeで買うとオマケが二曲(『悲しみの果て』『夢を見ようぜ』どちらもライブバージョン)が付いてきます。
https://itunes.apple.com/jp/album/machi-o-miorosu-oka/id392212582