エレカシブログ 俺の道

ロックバンド・エレファントカシマシ、宮本浩次ファンブログ

「GOOD ROCKS!」 Vol.29


写真とインタビュー合わせて巻頭ぶち抜き20頁(!)エレファントカシマシ宮本浩次特集号です。
MASTERPIECE発売以来、少し間をおいての雑誌特集なので、結構期待していたのですが、Amazonで発売前に予約したところ
元々Amazonでの発注・在庫が少なかったのと、注文が予想以上に多かったとのことで、6月29日発売の今号が一昨日あたりに到着しました。


届いてみたら予想以上に小さい、と思って比較用にフリスクを置いてみたんですが、よく分からない上に却ってフリスク邪魔になってるような・・・。


そしてインタビューを読んでみると、「小さいけれど熱意と情報が詰まりに詰まってる」。


ちょっと印象に残ったところを。インタビュアーは鈴木淳史さん。

(去年の春頃会って、"バンドが今、すごくいいんです"という話をしながらライブハウスを廻っていましたね、という話に対して)
「あの時は、みんなが歌を楽しみにしてくれるというか・・・僕らもビックリしちゃうくらい歓迎して貰って。
 本当に生々しい・・・人間っていうのは、そういうところも持って生きているんだという。
 すごく勇気づけられながらツアーを廻っていたんです。
 4月の上旬だったんですけど、新潟のライブハウスは、震災後、俺たちが初めてライブをやるみたいな状況でして。
 やる曲、やる曲、本当にみんなストレートに聴いてくれてる感じでした。
 バンドにとって大変やりがいになりましたし、みんなと一緒にバシッとなるという・・・。
 ライブならではの感じを実感しながらやっていたんですよ」。

こういう話をされるとまた去年のツアーを思い出してしまって。
去年の震災後、この先無事に生きられるのか、明日はどうなるのか、極端な話エレカシは生きてるのか(勿論生きてたんですけど)。
そんな中ツアーでどんな歌を歌ってくれるのか、その先に何を見いだせるのか等々思いながらライブハウスに向かうと
まあ宮本はじめメンバーは異常なほどの気合いとハイテンションで全国廻って歌を歌って、文字通り「心に火を灯す旅」になった。
(しかし勿論結果的とはいえ、「〜そして、心に火を灯す旅〜」というのはなんと示唆的なサブタイトルだったんだろうか)。


ツアーでエレカシの波動を受けた他の人の感想は分からない。けれど少なくとも僕はツアーで「生きることの希望」を感じたことは確か。


一方の「歌い手」宮本浩次が去年のツアーでどんなことを思ったかは分からない、けれども宮本も音楽を生業としてる以上は
今回の「MASTERPIECE」に大なり小なり影響(或いは想い)を与えてることは間違いないと思います。


また「MASTERPIECE」はタイトなスケジュールで作った、ということも、具体的な日数を含めて語られていて面白い。

「(中略)30分の大事さというか、すごくリアリティーがあった。45歳というのも大事で、3歳児より45歳の方が時間の切迫さ加減がデカイんですよ。
 そういうことを僕はずっと歌ってる。4月16日に死ぬって事じゃないんだけど、その日に上げなきゃというのがあってさ。
 今回に関して大げさに言うと"血液を全身に具合良く流すぜ!”みたいなそういう燃え滾る血潮みたいな想いを作るのに、格好の時間設定だったんですね。
 ”だったら、俺がやるわい!”と言って(後略)」。

鈴木さん『時間に追われているという感覚を、気持ちよく消化出来た感じだったんですね』
「そう!時間に追われてる感覚が多分・・・相当キツイと思うんだけど、密度が濃い。
 おそらくみんな大なり小なり体験したことがあると思うんだけど、受験の最後の三ヶ月とか、一夜漬けの中間試験とか
 何でもいいんだけど、何故だかすごくいい点数が取れちゃったみたいな・・・それのベテランバンド版というか。
 非常に充実した30分だったり、1時間だったり、1週間だったんですね。
 不思議な事に、音楽仲間にもすごくそういう想いが、ミュージシャン同士だからかも知れないけどそれぞれの立ち位置で伝わっている訳ですよ」

仕事や何やで忙しかったりプレッシャーかかってたり締めきりに追われてると、「辛いな」とか思う反面、誰かに頼られているという嬉しさ
社会に必要とされてるという嬉しさ、他のことを考えるスキがなくなることによって出来る集中力、「これをやり遂げることが出来たら」という
ほのかな希望とかが噛み合って、案外物事上手く行くような気がします。で、その後のお酒が美味しかったり(笑)。
それが終わった後は「疲れた、もう二度とこんなことはするまい」と思ったりもするんですが、でもまた上のようなギリギリの感覚を味わいたくて
また自分で自分を追い込んだり、追いかけられて必死にやって、上手くいったりいかなかったり、結果が出て喜んだり出なくて落ち込んだり。
人生それの繰り返しなんじゃないかな、と最近思ったりするんですが、もしかすると宮本浩次も同じようなことを思っているかもしれない、と
ガーッと小さい文字で白黒で詰め込みに詰め込まれているインタビューを読みながら思いました。


そうやって去年のツアーやら、今回の「追い詰められての作業」、メンバーやサポートの人との作業の結実としてこのアルバムなんだ、と思うと
なるほど、確かに誰の人生もMASTERPIECEなのかもしれない、と改めて思いました。僕の場合宮本が言ってるならばそうなのかも、と思うところが
大きいんだと思いますが(笑)。いやでも発売以来一ヶ月経ってもまだMASTERPIECEは消化しきれてないです。


こんな引用じゃ全く物足りないほど、20頁に渡って写真とインタビューがてんこ盛りです。
表紙の宮本は凛々しく髪をグシャグシャとしていますが、本誌の中には穏やかな宮本、セクシーな宮本、色々入ってます。
レコーディング中の模様を情熱込めて伝えた雑誌がこの間の「MUSICA」ならば、ツアーから今作について熱く語っている代表号が
今回の「GOOD ROCKS!」Vol.29かもしれないです。機会があれば是非。
それにエレカシを多く担当されているカメラマンの岡田貴之さんについても珍しく語っています。岡田さんファンの方には必須だと思います。


またこの雑誌は広告が全く無いんですが、だから900円とサイズとページ数に対して高いのかな、と思ったのですが、それについても
(また今回の写真のチョイスについても)編集後記で編集長のフクモトヒロスケさんがこちらも熱く書いております。
どこまでが広告なのか、どこまでが雑誌の主張なのか分からない媒体も多い中、こういう雑誌はレアだと思います。



【追記】
今週土曜日のTBS系「王様のブランチ」にて映画『のぼうの城』の新予告編が流れ、いよいよ「ズレてる方がいい」の
音源もちょっと公開されるようです。これは要チェックです。




(Amazonアソシエイト)



今現在Amazonでは「GOOD ROCKS!」Vol.29は在庫切れなのですが、この表記だとまた再入荷されるはずです。


またAmazonで「この商品を買った人はこんな商品も見ています」欄でボードレール著の「巴里の憂鬱」が出ていて
「なるほど、これのことだったんだ」と今更思ってしまいました。


巴里の憂鬱 (新潮文庫)
巴里の憂鬱 (新潮文庫)
  • Charles‐Pierre Baudelaire
  • ASIN: 410217401X
  • [文庫]
  • 価格: ¥ 420
  • 新潮社
Amazon.co.jp で詳細を見る