エレカシブログ 俺の道

ロックバンド・エレファントカシマシ、宮本浩次ファンブログ

二駅前から歩くのがいいぜ

来月末に年に一度の定期健康診断があるんです。
ということを職場のボスと何気なく話していると
「ならね、家の駅の一駅前で降りて歩くのがいいんだよ」
「一駅前ですか?」
「うん、敢えて一駅前で降りて歩く。それを毎日じゃなくても習慣にしてると絶対に健康にいいよ」
「なるほど。歩くのはいいですよね」。
けれどGoogleマップで一駅前を見てみると、最寄り駅と500mぐらいしか違わない(笑)。
ならば二駅前から歩こうじゃないかと、早く帰れて体調も良くて天気の良い日は二駅前で降りて歩いて帰ってます。


健康的な面は長期的に見なければいけないんだろうけれど、明らかに精神的なプラスというか、リラックス効果がある。
二駅前から歩くと、まあ見慣れない街並みが広がっていて、そこをぶらぶらと散歩しているとそれこそ
「上京したての、何もかもが新しく見える東京の街並み」が目の前に広がっていて、その頃の気持ちが鮮やかに蘇る。


田舎出身の人間から見ると、東京は有り得ない所に色んな建物が建っていて、有り得ない所に人が住んでいる。
そういう所にも昔の祠だったり、小さな花や草が生えてたり、猫がゴロゴロしていたりと「昔の面影」がある。
現代的な建物と古風な、自然なものが混在していて、そこに東京が生み出す物凄いパワーを感じたりしてると
昔、東京に夢を持っていた頃(笑)の自分を思い出して、かなり新鮮な気持ちで家に帰れる今日この頃です。


なので最近はデジカメを持ち歩いて二駅前から歩いています。2011年 東京散歩です。(C)おかみさん。



洋食屋さんの店頭。この氷はダミーです。



五月晴東京。



シャッタースピードを遅くして撮影。東京の運転はスリリングだけれど夜景が綺麗。



子供ら帰りし公園。シグナル的風景かもしれません。


しかし前の記事といい、少し感傷的というか昔の気持ちを思い出すというのは明らかに年老いてるんでしょうね。
上に書いたとおり、最近は東京に出てきた頃の心境をよく思い出しています。


PAOを読んでると、はっきりとは意図が分からない東京の写真が結構載ってるじゃないですか?
でもあれがかなり好きで、「ああ、こういうのは東京の風景だよな」と思ったりしてます。


今ぐらいが日が長くなって、暑くもなく寒くもなく、散歩にちょうど良いかもしれませんね。




最新号(Vol.59)のPAOが「宮本浩次、かく語りき」状態になってるということは前回書いたんですが
あまりに良すぎたので、この宮本の発言を引用して、それで今回のツアー前半戦についてずっと書いてたんですが
それがえらく長くなってしまった。それで分量が長くなるのはいいんですが、その記事をアップしてしまうと
今回のPAOのかなりの部分がネタバレになってしまうような形になってしまった。
昨年のコットンクラブのようなことがまた起きてはならぬので、事前に色んな方に相談した結果、「内容を書きすぎ」ということで
結果的にボツにしてしまいました。悩みに悩んだ末の結論です。
市販されている一般雑誌ならそれほど躊躇せず書いたと思うんですが、ファンクラブ会報であることを重く考えました。


ただこれを読んだ感想、そして心に響いた言葉等のみちょっとだけ書いてみます。


今号のPAOは(少なくとも僕は)今までの宮本インタビューでは見たことのないような詳細なことが書かれていて、読み応えがあります。
勿論今までのインタビューだって宮本は誠実に、考えに考えすぎるほど考えて答えているはず。
けれど今回の震災で喚起された想いが凝縮されて、それらが(おそらく)殆どカットされない形で収録されている。
今回のツアーの前半戦の会場ごとの印象、感想、想い、「この曲がよかった」「あの曲がうまく歌えた」ということが
かなり詳細に記述されている。そしてツアー恒例の「誰が運転して」のような話も書かれてたりします。
これは一般音楽雑誌や商業誌では到底無理でしょう。ファンクラブ会報ならではだと思います。


読み進めていくと本当に感慨深い。
ツアーのMCでは何も語らなかったけれど、こういうことを思って、そして信念を込めて歌ってたんだ、というのが
書き起こされた文字を通じてガシガシと身体の芯まで突き刺さってくる。
一番印象に残った宮本の言葉だけ引用してみると・・・。
(インタビュアーの方の言葉は少し編集しています)。

『ツアーの前に宮本さんは曲順の大きな流れをある程度決めたとおっしゃっていたんですけども
 それぞれの会場に合わせて考えていらっしゃるのですか?』


宮本「(前略)ニューアルバムのツアーだから当然ニューアルバムの曲を全部練習してはいたんだけれども
あえて会場によって曲を変えるって風にしてった訳です。
その、多分地震ていうかそういうのは意識したんだけど自分で、自分達の曲の中でも、そういういろんな意味で
ストレートなメッセージを持っている曲っていうのをその会場ごとに選んで、いろんな意味っていうかその
"生きてる"っていうところのストレートなメッセージを持ってる、その詩の内容の曲を選んでやってましたね。
ニューアルバムのツアーだから最初から全部やるつもりでいたのよ実は、でも途中でそのやり方を変えたんですよ。
だから最初はずっと練習してんだけど。はい」

ここは何度も読み直してしまった。「生きてる」という明快なメッセージが入った曲をやっている。
それで勿論その他にも選曲について熱く語っていて、そして数ページ後にある前半戦セットリストを読むと
この会場にこの曲をいれたのはそういう意味なんじゃないだろうか、と勿論想像するしかないんだけれど
勝手に宮本の心中を想像して、それでその曲をもう一度聞いたりして、とこれだけでもかなり楽しめます。



(PAOは小型化して文字も小さいので、A3に拡大コピーして読みまくる)。


こんな内容が11頁にもわたって繰り広げられているので、読み応えがありすぎます。
ちょっとした空き時間に、てな具合にはいかないけれど、じっくりとエレカシに浸かるには最適です。
今回のツアーでは二種類パンフレットが出ていて、どちらも良い出来なのですが、パンフレットがメンバーの
表面的というか外見的な格好良さを映し出すものだとしたら、こちらは内面的格好良さがよく出ています。


PAOに入っていないという方も、五月末までに入ればこの号が送られてくるようなので、この機会に
入会してみて、読んでみてはいかがでしょうか。(ってこれだとPAOの回し者みたいですね)。
PAOのバックナンバー販売はファンクラブ会員限定サービスということを今回初めて知ったのですが
バックナンバーとして購入すると一冊700円(プラス発行手数料600円)がかかる。
これはこの内容としては安すぎて、個人的に700円でまとめて買ってライブ会場でそのまま売りたい(笑)。
「絶対に読むべきです」なんてことは言えないけど、これを読めば震災への宮本の想い、前半戦への想い
各会場(又はその土地)への想い(一つ一つきちんと触れている)、メンバーへの想いが分かると思います。


ライブハウスツアーに行かれた方はその後日談を読む感覚で、これからツアーに参戦される方は予習(?)として
読んでみてはどうでしょうか。ちょっと手に入りにくいかもしれませんが、個人的には数年ぶりの永久保存版です。